婚約者とその母親は悪魔のような人たちで、同居を強制したうえ虐げてきます。~私は抜け出す、自分の力で地獄から~

四季

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 婚約者アドムスとその母親であるリーゼラは悪魔のような人だった。

「あんたは我が息子と結婚するのだから、我が家の奴隷になるのよ! いいこと? 分かっているのでしょうね! 結婚したらあんたは永遠に奴隷、我が家に使える奴隷となるのよ!」

 リーゼラはいつもそんなことを言っていた。

「お前はこの家において最下層の人間だ。だから絶対に誰にも逆らうな。俺にも、俺の母や父にも、だ。いいな? 何か言われれば絶対に頷くこと、逆らわないこと、反抗的な態度をとらないこと」

 アドムスはいつもそんな風に言ってきていた。

 彼らはどこまでも真っ直ぐに私を奴隷だと思っているようだった。

 婚約と同時に強制的に同居させられて、皆にこき使われ、心を折るような言葉を日々浴びせられて――。

 このままじゃ駄目だ。

 ある春の日、そう思った。

 そこで私はここから脱出しようと考えた。
 難しいことかもしれないけれどこの苦痛の日々から逃れたいならそれしかない。
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