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後編

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 オーディに切り捨てられたうえ皆から馬鹿にされ笑われ……もう耐えられない。

 婚約破棄を告げられた日から数日。
 私は社会から去ることを決めた。


 ◆


 あれから十数年。
 私は猿族の一員として森の中で暮らしている。

 限りなく人間に近く、しかし生活範囲は人間と離れている、魔力を持つ猿族であるオパパオス族。彼らは基本的に温厚だ。

 最初こそ人間として警戒されはしたが、私の「酷い仕打ちに耐えられないので人の世から去りたい」という意思を聞くと、受け入れてくれた。

 そして今では仲間として扱ってくれている。

 木々を軽々と行き来したり小さな木の実を器用にもいだり、彼らは器用だ。
 でも私も段々慣れてきた。
 はじめはぶらさがることさえできなかったが、今では木と木を飛び移ることもできる。

 そうそう、先日森を散歩している人の会話からオーディのその後について知ることができた。

 あの後オーディの父親が暴走して近隣諸国に侵攻するなどして迷惑をかけたそうで、それによって国の印象が悪くなり、他の国から関わりを断たれることとなったそうだ。で、私たちがいた国は、最終的に崩壊することとなったらしい。今では別の国が占領し統治するまでになっているとのこと。

 ただ、一般国民はそれなりに暮らせているみたいなので、そこに関しては安心した。


◆終わり◆
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