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後編

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 私は確かに赤い目を持って生まれたけれど、悪女ではないはずだし、ただの娘でしかない。
 それなのにありもしないことを言いふらすなんて。
 エブリの母親は、結局、私の悪い話を言いふらしたいだけなのだろう。

 そんなところにいて幸せになれるはずもない。

 だから私は婚約破棄を受け入れた。


 ◆


 エブリとは終わったが、それから数週間が経過した頃に叔母の紹介で一人の青年に出会うこととなった。

 で、彼と仲良くなり、結婚するに至る。

 最初は男性と顔を合わせるのは気が進まず会わなくていいように色々考えて頑張っていたのだが、今は彼を紹介してくれた叔母に感謝している。

 現在は夫となった彼の仕事を時折手伝いながらも主には家事に熱を注いでいる。

 それと、最近は編み物も始めた。というのも、夫の母親が編み物教室をしている人なのだ。優しい女性で、私にも教えてくれた。そうして始めたところはまってしまい、自ら編み物をするようになっていったのである。彼の母親は今も私の先生だ、困った時にはそこへ相談しに行く。

 私が幸せに暮らせている一方、エブリは母親の介入によって結婚できない状態になってしまっているそうだ。

 エブリ自身は誰かとの結婚を望んでいるようで。しかし母親はエブリを自分だけのものにしておきたいらしく、エブリの相手になりそうな女性が現れるたびに気に食わないところを見つけて知人に言いふらしたり直接言ったりしているようである。つまり、息子の結婚が順調にいかないよう妨害しているのだ。

 困った母親を持つと大変だなぁ、と、その話を聞いて思った。


◆終わり◆
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