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後編

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 モルテーとの婚約は破棄となってしまったアイネだったが、その能力を利用して喫茶店で働き始めるとそのスムーズな運びが評判となって――やがて彼女は国民誰もが知っているような有名人となる。

 一躍有名人となったアイネは、それからも店の移動こそあったものの日々こつこつと労働を重ね、最終的には莫大な富を築いた。

 それこそ、一族の生活を支えてゆけるほどの富を得たのだった。

 それでも彼女は変わらず穏やかで少し不思議な女性だった。

 しかし愛されていないというわけではなく。
 むしろ彼女は周囲からいつも可愛がられていた。

「アイネさんってねぇ、可愛いわよねぇ」
「素敵だわ」
「惚れちゃうわね」
「美しいのもそうだけれど……あのちょっと不思議な感じが良いのよね。ほっこりしちゃうわ」

 一方モルテーはというと、資産家の娘である女性と婚約するも婚約期間中に気の迷いで浮気をしてしまい、それによって莫大な慰謝料を請求されたうえ婚約も破棄されてしまった。

 しかも、女性の父親が激怒してその話を言いふらしたために、モルテーは社会的な評判までも落とすこととなってしまったのだった。


◆終わり◆
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