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4話
しおりを挟む彼はあっという間に多くのものを失った。
これまで築いてきたものすべて、彼は失ってしまうこととなったのだ。
人生が崩壊するというのは気の毒なことだ。
しかし彼の場合に限っては私は気の毒だとは思わないし思えない。
だってすべてを引き寄せたのは彼の行動だから。
ただただ、ざまぁ、でしかない。
すべてを一気に失ったブルヘンカルートは精神が崩壊、言葉を発することすら叶わなくなってしまったそうだ。また、酷く落ち込むようになってゆき、実家へ戻って親から介護してもらいつつ生きるも常に酷く落ち込んでいたようだ。彼は無であり絶望であった。
「破滅したようですね」
復讐完了後、ブルックと向き合う。
「はい。今日まで……本当に、ありがとうございましたブルックさん」
彼にはとてもお世話になった。
だから深く感謝している。
言葉では上手く言えないけれどもこの胸には感謝が驚くくらいたくさん詰まっている。
彼がいなければここへはたどり着けなかっただろう。
「いえいえ」
「素晴らしい復讐になりました」
「笑顔になっていただけて良かったです」
「はい、今とてもすっきりしています」
「それが一番です。貴女には笑顔が似合いますよ、間違いなく」
そこからの流れでなぜかブルックよりプロポーズされ、私は彼と結ばれる未来を共に見据えることとなった。
どうしてそんなことに!?
いや本当にそれはそう。
でも私はそれが運命なのだと思って受け入れることにした。
それに、私もまた、彼のことをいつからか想っていた。本当はそうなっていたのだと思う。だから彼と結ばれることに抵抗はなかった。
ただ、後に彼が王子だと知り、それにはかなり驚いた。
でもそれでも心は変わらず。
この胸には彼を愛するという炎が確かに宿っている。
私はブルックと共に生きてゆく。
決意を胸に、進もう。
きっと大丈夫だ。
だってここまでも一緒に歩いてきたのだから。
◆終わり◆
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