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綺麗なものが好きなの
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可愛いを色で表現したかのような桃色の髪、サイドは巻き、後ろはふんわりとおろしている。後頭部から側頭部にかけては水色の布がついた髪飾りを着用。赤茶とグレーを混ぜたような色みのブラウスを着て、コルセットと一体化したワンピース。
愛らしいの極み、と言っても過言ではないような、桃色をメインとしてまとめたその人物を、誰が男と思うだろうか。
だが、その人物——マロリーネは、正真正銘男子である。
「ミントン! どうしてここへ?」
マロリーネは可愛いものが好きだ。
だから今も島の花畑に来ている。
「……何をしているのかと」
花を愛でるマロリーネを追って現れたのはミントン。
ミントグリーンとブルーの二色のロングヘアの彼は、マロリーネの部下。
「お花を見てるの! 綺麗でしょ」
「あまり興味はないが……」
言いつつ、ミントンはマロリーネのすぐそばに腰を下ろす。
「これとか!」
マロリーネが指し示したのは桃色の花をつけた植物。
その小さな花は、穏やかな風に揺られている。
「……それが好みか」
「うん! 好き!」
マロリーネが花のような笑みを咲かせるのを見て、ミントンはほんの少しだけ頬を緩めた。
「ほう……」
「ミントンは? やっぱりミントとかが好き?」
「……よく分からん」
「そっかー。またオススメのお花紹介するね!」
マロリーネはかつて、男の子なのに可愛いものが好きということでよく思われていなかった。それが原因で虐められることもあった。その頃はあまり笑わなくて。いつも悲しそうな目をしていた。
だがこの島へ来て彼は変わった。
今ではすっかり笑顔を取り戻している。
「あと数ヶ月もしたらね、ここ、もっと綺麗になるよ」
「ほう……」
「その時またここへ来てよ」
「あぁ」
「約束ね!」
◆終わり◆
愛らしいの極み、と言っても過言ではないような、桃色をメインとしてまとめたその人物を、誰が男と思うだろうか。
だが、その人物——マロリーネは、正真正銘男子である。
「ミントン! どうしてここへ?」
マロリーネは可愛いものが好きだ。
だから今も島の花畑に来ている。
「……何をしているのかと」
花を愛でるマロリーネを追って現れたのはミントン。
ミントグリーンとブルーの二色のロングヘアの彼は、マロリーネの部下。
「お花を見てるの! 綺麗でしょ」
「あまり興味はないが……」
言いつつ、ミントンはマロリーネのすぐそばに腰を下ろす。
「これとか!」
マロリーネが指し示したのは桃色の花をつけた植物。
その小さな花は、穏やかな風に揺られている。
「……それが好みか」
「うん! 好き!」
マロリーネが花のような笑みを咲かせるのを見て、ミントンはほんの少しだけ頬を緩めた。
「ほう……」
「ミントンは? やっぱりミントとかが好き?」
「……よく分からん」
「そっかー。またオススメのお花紹介するね!」
マロリーネはかつて、男の子なのに可愛いものが好きということでよく思われていなかった。それが原因で虐められることもあった。その頃はあまり笑わなくて。いつも悲しそうな目をしていた。
だがこの島へ来て彼は変わった。
今ではすっかり笑顔を取り戻している。
「あと数ヶ月もしたらね、ここ、もっと綺麗になるよ」
「ほう……」
「その時またここへ来てよ」
「あぁ」
「約束ね!」
◆終わり◆
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