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春は好きだった
しおりを挟む春は好きだった
とても愛おしい季節
冷たく閉ざされた道を越えて
その先にたどり着く
そんな季節だから
ずっと好きだった
春は好きだった
でも
貴方が私に終わりを告げたのも
婚約破棄
それを告げたのも春で
その時から
私は純粋には春を愛せなくなってしまった
愛おしい春
憎らしい春
二つが重なってしまって
思いは複雑に
春の色もまた濁ってしまった
春は好きだった
でももう戻れない
真っ直ぐに愛せたあの頃には
戻ることなんてできやしない
ずっと
ずっと
この黒ずんだ思いを抱えて生きてゆくのでしょう
きっと……
春は好きだった
でも今は
そう言えるかしら
春は好きだった
でも今は……
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