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前編
しおりを挟む婚約者デルフィネオスがある日突然告げてきたのは。
「お前との婚約は破棄とする」
――そんな言葉であった。
関係の解消。
それは二人の関係を根もとからぽっきりと折るようなもの。
「俺はさ、本当に好きな人と結ばれたいんだ。そのことにようやく気づいた――素晴らしい、非の打ちどころのない、女神のような彼女メリーサに出会って。そうしたらもうお前なんかかすに見えてきてさ。何で俺こんなやつと結婚しようとしてたんだろう? って感じに思えてきたんだ。俺、やっぱり多分、お前のことなんてどうでも良かったんだ」
彼は私のことを散々に言った果てに。
「――ってぇ、言われて今、どんな気持ちだァ?」
挑発的な顔を作ってくる。
「どんな気持ちィ? どゥ? どゥ? 答えてみなよゥ、答えろヤァ! ぅ、っ、ふぅー! どんな気持ちだァ? だァ? だだだァ? だァ? どんな気持ちィ? どゥ? どゥ? 答えてみなよゥ、答えろヤァ! ぅ、っ、ふぅー!」
さらにそんな意味の分からない言葉までかけてくる。
ふざけているのか?
あるいは馬鹿なのか?
「いまっいまいまァ、いまっいまァ! ふゥ! どーんな気持ちどんな気持ちィ? どゥ? どゥ? 答えてみなよゥ、答えろヤァ! ぅ、っ、ふぅー!どんな気持ちィ? どゥ? どゥ? 答えてみなよゥ、答えろヤァ! ぅ、っ、ふぅー! っ、ふふ、ッ、ふぅーっ!」
デルフィネオスは腰をくねらせて踊りながらそんな意味不明な言葉を並べ続ける。
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