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2話
しおりを挟む「まぁそういうやつなんだよこいつは」
「うっそ~、絶対ナナの方がいいじゃん! 可愛いし、一緒にいて楽しいでしょ?」
「それはそうだな」
「あたしたち運命の二人だもんねっ」
「その通りだ。だからこいつとは終わらせる。ようやく決心したよ」
その後エリックはナナと二人会場から飛び出していった。
私はその場で崩れ落ちる。
意味が分からな過ぎて、あまりにも想定外の展開で。
「何あれ……最低……」
「エリックさんもう一人女がいたってこと……?」
「ひど」
「お嫁さん泣いてるじゃん、可哀想に」
「何なのあの男!」
参加者のひそひそ話が聞こえてくる。
それらは私を悪く言うものではなかった。
けれども、一度流れ始めた涙は止まらない。
「ちょっと……結婚式どうするつもりよ……」
「もしかして、中止、なの……?」
「最低」
「可哀想過ぎるよこんなの」
「ウエディングドレスで泣かされるとかほんとないわー……引くわー……」
「そうよね。あんな男、あり得ないわ」
「お嫁さんが可哀想過ぎて泣きそう」
こうして結婚式は中止となったのだった。
◆
エリックにまさかの婚約破棄をされ、以降しばらくは体調のすぐれない日が多かった。
食事すらまともにはできず。
ただ溜め息をつきながら寝ていることしかできない。
両親には心配をかけたと思う。
だが、ある時幼馴染みと再会したことから、私は徐々に体調を回復させていった。
「やあ! また来たよ!」
「ああ、ありがとう……来てくれて」
再会した幼馴染みの名はローランという。
男性だ。
しかしかつては同性であるかのように仲良しだった。
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