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後編

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 ◆


 婚約破棄後、激怒したあたしの父親によってオーブリーとその家は階級を大幅に下げられたよ。

 ま、ある意味では当たり前のことかもね。

 だって、契約したのに正当な理由もなく一方的に破棄するなんていうのは、ある種の裏切り行為だよ。

 そんなことをする人を素直に信じることなんて、きっと、誰だってできない。

 で、周囲からの信頼っていうのは地位ある家にとっては大事な要素。

 そういう意味ではその流れも不自然なものではなかったかもね。
 あんなことをしているようじゃ、いずれ、自然に同じことになっていたかもしれないね。

 あ、ちなみにあたしはというと、あれからとある人に連絡したんだ。

 昔から知っている彼。
 彼とは何かあった時には結婚するという話になっていたんだ。

 で、無事、彼と結ばれることができたの。

 一応そういう話にしておいて良かったなぁ、って、今は思ってる。

 あたしはきっとこれから彼と生きてゆく。
 その道を選んだことを後悔することはないと思うな。

 だって、優しくて真面目な彼との関係はそれはそれで快適だもん。

 なんならオーブリーと結ばれるより良かったかもね。


◆終わり◆
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