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もうおしまいにしよう、婚約は破棄する
しおりを挟む幼い頃は思っていた
愛していれば
想い変わらなければ
きっと幸せになれるのだと
だから婚約した彼のことも
愛してきた
想ってきた
それが幸せへ繋がると信じて疑わず
けれどもそれは間違いで
私が彼を愛しても
彼は私を愛さない
それこそが現実だった
この想いが実ることはなく
彼は告げた
『もうおしまいにしよう、婚約は破棄する』
彼は私を愛さなかった
彼には愛する人がいた
だから道は途絶えてしまった
もうその道は戻らない
悲しみの海の中で
何度も繰り返す
嘆きの旋律それは
誰にも届かない
虚ろな悲劇を語る唄でしかない
彼を手にすることはできず
彼と歩むこともできない
私はどこへ行くというのか
ただ流されてゆく
今でも脳内では繰り返される
『もうおしまいにしよう、婚約は破棄する』
彼が終わりを告げた
その言葉
その声が
永遠に鳴りやまない
それでもなお
いつの日か見ていた夢に
手を伸ばそうとする
愚かと知りながらも
諦めきれない
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