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前編
しおりを挟む婚約破棄された。
それがいつまでも心に残って、もやもやして。
どうしようもないからスケート場でスケートでもすることにした。
幸い、スケートは子どもの頃から経験がある。池にすぐに氷が張るような地域で生まれ育ったから。特別上手いということはないけれど、でも、それなりに滑ることはできる。暖かい地域出身の人たちに比べれば上手い方だろう、多分。
だが。
「きゃ!」
「うわ!」
この日は、考え事をしながら滑っていたからか、他人に激突してしまった。
転倒し、冷たさが尻に届く。
「だ、大丈夫ですか!?」
声をかけられ面を上げれば、そこには見知らぬ青年の整った顔。
彼は手を差し伸べてくれていた。
「あ、はい……」
「立てそうですか?」
「はい大丈夫です……ぶつかってすみません。あ、私のことは気にしないでください」
「そうですか」
――これが、未来の夫カオロスとの出会いだった。
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