弱さを見せる強さがあれば

四季

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弱さを見せる強さがあれば

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強くあることが
弱音を吐かぬことが
正義であるものだと
信じていた頃があった

光であることが
影を隠すことが
正しい道なのだと
思っていた頃があった

世を見渡せば
人は言う

疲れた 辛い 傷ついた

それを口にできたなら
どんなに良かったのだろう
それを聞いてもらえたら
どんなに楽になっただろう

足裏に刺さる小石も
身を打つ鞭の棘も
首を絞めるその縄さえ

私は口にできない

強くあろうとしたのは
人々を痛めぬため
光であろうとしたのは
世に暗雲を与えぬため

けれども結局
すべては無駄な努力

でももはや言えない
何も言わずに歩いてきた私には
もう何も言えない
助けてなんて言えない

降り注ぐ月の光と
湖の水面
舞ってゆく花びらと
歌唄う小鳥

それだけが私を救済するもの

強くあることが
弱音を吐かぬことが
人のためなのだと
信じていた頃があった

光であることが
影を隠すことが
世のためなのだと
思っていた頃があった

あぁ なぜ一言さえ発せなかったのだろう

あぁ なぜ腕を伸ばすことさえできなかったのだろう
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