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後編
しおりを挟む一人の女性が現れた。
虹色の輝くマーメイドラインのドレスをまとった不思議な人だ。
髪は白色で長い。
双眸もドレスと同様レインボーの輝き。
「えっ……」
一瞬何が何だか分からなかった。
『素晴らしいお嬢さん。貴女にはこれから良いことがたくさん起こるでしょう。それはわたしの力によるものです、けれど、申し訳なく思う必要はありません。なぜならわたしからのそれは感謝の気持ちだからです』
「え、あの、ちょ……」
『ではこれで。わたしは失礼しますね』
何か幻でもみたのだろう……。
そう思って自分を納得させた。
しかしそれから人生は大きく変わった。
まず、うちの庭から体調の金塊が発掘されて大金持ちに。
さらに父の事業が爆発的に成功を収めてさらにお金が増えた。
専業主婦の母はたまたま拾った宝くじで一等当選、凄まじい額を得た。
しまいに私は複数の王子から見初められてしまい、引っ張り合いをされるような立場となってしまった。今では毎日のように何人もの王子に通いアプローチされている。贈り物を貰ったり、褒めてもらったり、色々。
ちなみにウィルソンは、あの後複数の女性に声をかけてみるもまったくもって相手にされず心が折れてしまったそう――今ではすっかり自信をなくして、家から出ることさえ簡単なことではないというような心の状態となってしまっているらしい。
また、ウィルソンの母親はある晩急に倒れて死亡し、それを追うように父親も自死――と、彼の周りでは様々な不幸が続けざまに起きたそうだ。
◆終わり◆
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