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3話「ここからは」
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◆
作戦決行の日、私はまずフルルンと合流する。
「頑張ろうね!」
「ありがとう」
フルルンはこんな日でさえ明るい。
どんな未来が待っているか分からないというのに、彼は前向きだ。
それから私たちは塔を出た。見張りの兵とぶつかり合うこととなってしまう。が、私は高めてきた魔法の技術を使って敵を倒すことができた。
でも。
「フルルン!!」
相棒とも言えるフルルンが斬られてしまった。
「しっかりして!」
「……ごめん」
「と、とにかく、運ぶから。そのままじっとしていて」
「……うん」
私は彼を連れて逃げた。
◆
「ごめん……足を引っ張っちゃって……」
塔からは無事脱出できた。
今はフルルンが住んでいるという小屋の中にいる。
森の中にある小屋、ここまでは誰も来ないだろう。
「いいのよ、協力してくれてありがとう」
「手当てまで……」
「大丈夫よ、すぐに良くなるわ」
「……はは、かっこ悪いな」
「そんなことないわ。貴方は素晴らしい人よ」
そう言うと、彼は泣いていた。
「でもここからは私一人でやるわ」
「復讐?」
「そうね」
「僕も行くよ!」
「駄目よ」
義母のことは私の個人的な事情。
彼を巻き込めない。
「あぁそうか……頼りないよね」
「そうじゃない!」
「え……?」
「……ごめんなさい、急に。でも、これ以上、貴方を巻き込むことはできないわ」
もう巻き込んでしまっているけれど。
「すべてが終わったらここへ帰ってきてもいい?」
「もちろん!」
「ありがとう。じゃあ、しばらくさようなら」
私は小屋から出る。
いつまでもここにいられたら……と思いつつも、旅立つ。
作戦決行の日、私はまずフルルンと合流する。
「頑張ろうね!」
「ありがとう」
フルルンはこんな日でさえ明るい。
どんな未来が待っているか分からないというのに、彼は前向きだ。
それから私たちは塔を出た。見張りの兵とぶつかり合うこととなってしまう。が、私は高めてきた魔法の技術を使って敵を倒すことができた。
でも。
「フルルン!!」
相棒とも言えるフルルンが斬られてしまった。
「しっかりして!」
「……ごめん」
「と、とにかく、運ぶから。そのままじっとしていて」
「……うん」
私は彼を連れて逃げた。
◆
「ごめん……足を引っ張っちゃって……」
塔からは無事脱出できた。
今はフルルンが住んでいるという小屋の中にいる。
森の中にある小屋、ここまでは誰も来ないだろう。
「いいのよ、協力してくれてありがとう」
「手当てまで……」
「大丈夫よ、すぐに良くなるわ」
「……はは、かっこ悪いな」
「そんなことないわ。貴方は素晴らしい人よ」
そう言うと、彼は泣いていた。
「でもここからは私一人でやるわ」
「復讐?」
「そうね」
「僕も行くよ!」
「駄目よ」
義母のことは私の個人的な事情。
彼を巻き込めない。
「あぁそうか……頼りないよね」
「そうじゃない!」
「え……?」
「……ごめんなさい、急に。でも、これ以上、貴方を巻き込むことはできないわ」
もう巻き込んでしまっているけれど。
「すべてが終わったらここへ帰ってきてもいい?」
「もちろん!」
「ありがとう。じゃあ、しばらくさようなら」
私は小屋から出る。
いつまでもここにいられたら……と思いつつも、旅立つ。
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