義母によって塔に閉じ込められた私は復讐の時を待っていたのですが……。

四季

文字の大きさ
上 下
2 / 4

2話「協力する相手は」

しおりを挟む
 向こうが事情を話してくれたのでこちらも事情を打ち明けることにした。

 すると。

「そんなことって! 駄目だよ、そんなの。逃げようよ」
「無理よ、今はまだ」

 まだ準備は整っていない。

「どうして!? 諦めるの!?」
「ええ。見張りもいるし……一人で今すぐというのは厳しいわ」
「なら僕も協力するよ!」
「え。やめて、巻き込みたくないわ」

 私はいつかここを出る。
 けれどその時はまだ来ていない。
 もっと力がいる。

 そういう意味では協力者の存在はありがたいのかもしれないが……でも、赤の他人を巻き込むのは、あまり良い気がしない。

「君の話を聞いていたら放っておけないよ、酷すぎる」

 彼は感情を隠さない。
 今にも泣き出しそうな面持ちだった。

 そこまで感情的にならなくて良いのに、と思ってしまう部分もある。

「貴方は悲しまなくていいわ」
「でも! そのお義母さんおかしいよ!」
「そうね、だからいずれ私は……彼女を討つつもり」
「だから、協力するって」
「駄目!」
「いいんだ、協力させてほしい」

 そして、彼と協力することが決まった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

義母の秘密、ばらしてしまいます!

四季
恋愛
私の母は、私がまだ小さい頃に、病気によって亡くなってしまった。 それによって落ち込んでいた父の前に現れた一人の女性は、父を励まし、いつしか親しくなっていて。気づけば彼女は、私の義母になっていた。 けれど、彼女には、秘密があって……?

舐めきった態度、許されません!

四季
恋愛
先日二十歳の誕生日を迎えた資産家の娘リーナ・フルベルン。 彼女には今、ある悩みがあって……。

婚約指輪ごとわたしを捨てた伯爵サマ

夜桜
恋愛
 令嬢シアは、伯爵フレンに婚約破棄させられ、指輪ごと崖から突き落とされ――捨てられた。絶望と悲しみに暮れていると、手を差し伸べてくれる王子様が現れた。

【完結】その人が好きなんですね?なるほど。愚かな人、あなたには本当に何も見えていないんですね。

新川ねこ
恋愛
ざまぁありの令嬢もの短編集です。 1作品数話(5000文字程度)の予定です。

婚約破棄されたら、国が滅びかけました

Nau
恋愛
「貴様には失望した!私は、シャルロッテ・グリースベルトと婚約破棄をする!そしてここにいる私の愛おしい、マリーネ・スルベリオと婚約をする!」 学園の卒業パーティーの日、婚約者の王子から突然婚約破棄された。目の前で繰り広げられている茶番に溜息を吐きつつ、無罪だと言うと王子の取り巻きで魔術師団の団長の次に実力があり天才と言われる男子生徒と騎士団長の息子にに攻撃されてしまう。絶体絶命の中、彼女を救ったのは…?

婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。

国樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。 声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。 愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。 古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。 よくある感じのざまぁ物語です。 ふんわり設定。ゆるーくお読みください。

学園にいる間に一人も彼氏ができなかったことを散々バカにされましたが、今ではこの国の王子と溺愛結婚しました。

朱之ユク
恋愛
ネイビー王立学園に入学して三年間の青春を勉強に捧げたスカーレットは学園にいる間に一人も彼氏ができなかった。  そして、そのことを異様にバカにしている相手と同窓会で再開してしまったスカーレットはまたもやさんざん彼氏ができなかったことをいじられてしまう。  だけど、他の生徒は知らないのだ。  スカーレットが次期国王のネイビー皇太子からの寵愛を受けており、とんでもなく溺愛されているという事実に。  真実に気づいて今更謝ってきてももう遅い。スカーレットは美しい王子様と一緒に幸せな人生を送ります。

モラハラ王子の真実を知った時

こことっと
恋愛
私……レーネが事故で両親を亡くしたのは8歳の頃。 父母と仲良しだった国王夫婦は、私を娘として迎えると約束し、そして息子マルクル王太子殿下の妻としてくださいました。 王宮に出入りする多くの方々が愛情を与えて下さいます。 王宮に出入りする多くの幸せを与えて下さいます。 いえ……幸せでした。 王太子マルクル様はこうおっしゃったのです。 「実は、何時までも幼稚で愚かな子供のままの貴方は正室に相応しくないと、側室にするべきではないかと言う話があがっているのです。 理解……できますよね?」

処理中です...