女好き王子、好き放題しすぎて婚約破棄される。~彼の最期は残酷なものでしたが自業自得です~

四季

文字の大きさ
上 下
2 / 2

後編

しおりを挟む

「ま、待ってくれ! 婚約破棄はやめてくれ、周りからの印象が悪い!」
「報いを受けるべきよ」
「頼む! お願いやめて! 嫌がらせしないで!」
「嫌がらせ? そうじゃないわ。私はただ、貴方に自分の行動の責任を取ってほしいだけ。ただそれだけよ」

 レバダスバラダはショックでへなへなと座り込んでしまう。

 明らかに両足に力が入らない様子だ。

 だが自業自得。
 すべては彼の行いによる結果である。

「さようなら、レバダスバラダ」

 こうしてレバダスバラダとエリーサの婚約は破棄となった。

 また、その出来事は、両国の関係を悪化させる原因となってしまう。

 激怒したエリーサの国からの輸入が大幅に滞ることとなり、食べ物すらまともに届かなくなり、レバダスバラダの国では大量の餓死者が出た。

 その後レバダスバラダは民から責められ、飢饉を招いた責任を取るということで皆の前で処刑された。

 彼の亡骸は死後数日間にわたって中央公園で晒されていたという。


 ◆


「エリーサ王女」
「何かしら」
「王子レバダスバラダがどうやら処刑されたようです」

 母国に帰り、王城内の自室で読書をしていたエリーサは、報告を受けて静かに面を上げた。

「そう。ま、自業自得ね」

 彼女の薄い唇にはうっすらと黒い笑みが浮かんでいた。

「もはやどうでもいいけれど」

 彼女は数秒でまた視線を本へと戻す。

「本当にそうですね、仰る通り自業自得だと思います。……王女をないがしろにして幸せになれるはずもない。あのような無礼者、消えるべきです」


◆終わり◆
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

懲りずに何度も繰り返す〜さすがにもう許せませんよ〜

四季
恋愛
何度同じことを繰り返すつもりですか? 何度でも許されると思っていたのですか?

婚約破棄? 私、この国の守護神ですが。

国樹田 樹
恋愛
王宮の舞踏会場にて婚約破棄を宣言された公爵令嬢・メリザンド=デラクロワ。 声高に断罪を叫ぶ王太子を前に、彼女は余裕の笑みを湛えていた。 愚かな男―――否、愚かな人間に、女神は鉄槌を下す。 古の盟約に縛られた一人の『女性』を巡る、悲恋と未来のお話。 よくある感じのざまぁ物語です。 ふんわり設定。ゆるーくお読みください。

失礼な人のことはさすがに許せません

四季
恋愛
「パッとしないなぁ、ははは」 それが、初めて会った時に婚約者が発した言葉。 ただ、婚約者アルタイルの失礼な発言はそれだけでは終わらず、まだまだ続いていって……。

まったり系令嬢は婚約破棄されてもさほど動じない。~しかし親と兄は激怒していますのでお気をつけください~

四季
恋愛
まったり系令嬢は婚約破棄されてもさほど動じない。

女の嘘で島流しの刑に処されることとなってしまいましたが……。~勝手に破滅へ向かうのを眺めるというのも悪くないですね~

四季
恋愛
アイリーン・ルーベンは王子イリッシュ・アーボンと婚約していた。 しかし彼には他に女がいて。 ある時その女ウルリエがついた嘘によってアイリーンは婚約破棄されたうえ島流しの刑に処されることとなってしまう。

嘘で私の名誉を傷つけた王子とその女は痛い目に遭うこととなりました。~我が父の本気は恐ろしいのですよ~

四季
恋愛
嘘で私の名誉を傷つけた王子とその女は痛い目に遭うこととなりました。

婚約者の様子がおかしい。明らかに不自然。そんな時、知り合いから、ある情報を得まして……?

四季
恋愛
婚約者の様子がおかしい。 明らかに不自然。 ※展開上、一部汚い描写などがあります。ご了承ください。m(_ _)m

愛のゆくえ【完結】

春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした ですが、告白した私にあなたは言いました 「妹にしか思えない」 私は幼馴染みと婚約しました それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか? ☆12時30分より1時間更新 (6月1日0時30分 完結) こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね? ……違う? とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。 他社でも公開

処理中です...