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前編

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「本日をもって、君との婚約は破棄とする」

 婚約者フルーベリンからそう告げられたのは、ある日の夕暮れだった。

「え……」
「婚約は破棄する、と言ったんだ」

 すぐには理解できなかった。
 でも彼の顔を見ていたら「きっと何を言っても無駄なのだろうな」とは掴めて。

「そうですか……分かりました。婚約破棄を受け入れます」

 だから私はもうそれ以上何も言わず、フルーベリンの前から去ることにした。
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