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前編
しおりを挟む婚約者に散々心ない言葉をかけられて婚約破棄された日の実家への帰り道。
「貴女に惚れました!!」
路上で急にそんなことを告げられた。
「え……っと、その……大丈夫、ですか?」
思わず本心をこぼしてしまって。
「は、はい!? 大丈夫、とは!? どういうことです!?」
逆に驚かれた。
男性の目が驚きによって大きく開かれて。
二つの蒼い瞳が微かに揺れる。
「いきなり過ぎて驚きました。もしかして、寝惚けていたのではないでしょうか? あるいはお酒を飲まれて酔っていらっしゃるとか」
「違いますよ、正気です」
「正気ですか」
「はい、そうです。正気です。おかしいと思われるかもしれませんが……これは本当の気持ちなのです! 好きです!」
「そ、そうですか……」
これが蒼く美しい瞳を持つ彼エディットとの出会いだった。
「僕はエディット! 貴女は?」
「エーミリアと申します」
私は最初彼を少々変わり者だと思った。
いちいち反応がとても大きいし、言っていることもかなり豪快だし。
ただ意外と悪い人だとは思わなくて。
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