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婚約してからずっと私を放置していた婚約者がついに婚約破棄を告げてきまして。
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婚約者ハバロフスは、婚約してからずっと私のことを放置してきていた。
しかし婚約者同士であることに変わりはなく。
ゆえに私たち二人の関係は特に大きな変化を迎えることなく進んでいた。
だが、やがて、その関係にも変化の時が来る。
「君との婚約は破棄とすることにしたよ」
二人揃って参加していたある晩餐会にて、彼は切り出した。
「君にはもう飽きたんだ。君といてもちっとも楽しくない。だからもうおしまいにする。いいね? じゃ、そういうことだから」
ハバロフスはそんなことを言って私を切り捨てた――のだが、次の瞬間まさかの展開が。
というのも、色とりどりの蛇がたくさん現れ一斉にハバロフスへ襲いかかったのである。
「なっ……へ、蛇ッ!?」
赤、青、黄、緑、紫、藍、茶、赤茶、灰、空、桃、橙……本当に多様なカラーバリエーション。
そして鱗の形や模様も数えきれないほど、言葉に出来ないくらい様々で、個性が溢れ出ている。
「うわあああ!! 蛇は嫌あああああ!! ひぃやああぃぁぁぁぁぁぁ!! うぎゃああぁぁぁっあああああああああっ!! 蛇嫌蛇嫌蛇は嫌あああああ!! 助けてええええ!! 誰か助けてよおおおお!!」
元より蛇が苦手であったハバロフスは悲鳴をあげていた。
◆
あの後、蛇を従える能力を持っていることが判明した私は、南の部族から『蛇の女神』であると告げられて――そうして南の部族の長である男性のところへ嫁ぐこととなった。
そして今は族長の妻として敬われながら生きている。
こんな未来は想像していなかった。
けれども悪くはない。
なんせ皆から愛され大切にされて生きてゆけるのだから、悪いことなんて何もないのだ。
この暮らしは幸せに満ちている。
ちなみにハバロフスはというと、あの夜蛇に襲われたことで精神崩壊し言葉を発することができなくなってしまったそう。
その後は実家で親に介護をしてもらっていたそうなのだが。
ある時親がいないタイミングで取り乱し、窓から飛び降りて負傷。その時は落命しなかったものの、結局その際に負った傷が原因となって半年ほどして亡くなってしまったそうだ。
歳を重ねるまえに亡くなったしまったというのは残念なことではあるが……彼に関しては可哀想とは思わない。
◆終わり◆
しかし婚約者同士であることに変わりはなく。
ゆえに私たち二人の関係は特に大きな変化を迎えることなく進んでいた。
だが、やがて、その関係にも変化の時が来る。
「君との婚約は破棄とすることにしたよ」
二人揃って参加していたある晩餐会にて、彼は切り出した。
「君にはもう飽きたんだ。君といてもちっとも楽しくない。だからもうおしまいにする。いいね? じゃ、そういうことだから」
ハバロフスはそんなことを言って私を切り捨てた――のだが、次の瞬間まさかの展開が。
というのも、色とりどりの蛇がたくさん現れ一斉にハバロフスへ襲いかかったのである。
「なっ……へ、蛇ッ!?」
赤、青、黄、緑、紫、藍、茶、赤茶、灰、空、桃、橙……本当に多様なカラーバリエーション。
そして鱗の形や模様も数えきれないほど、言葉に出来ないくらい様々で、個性が溢れ出ている。
「うわあああ!! 蛇は嫌あああああ!! ひぃやああぃぁぁぁぁぁぁ!! うぎゃああぁぁぁっあああああああああっ!! 蛇嫌蛇嫌蛇は嫌あああああ!! 助けてええええ!! 誰か助けてよおおおお!!」
元より蛇が苦手であったハバロフスは悲鳴をあげていた。
◆
あの後、蛇を従える能力を持っていることが判明した私は、南の部族から『蛇の女神』であると告げられて――そうして南の部族の長である男性のところへ嫁ぐこととなった。
そして今は族長の妻として敬われながら生きている。
こんな未来は想像していなかった。
けれども悪くはない。
なんせ皆から愛され大切にされて生きてゆけるのだから、悪いことなんて何もないのだ。
この暮らしは幸せに満ちている。
ちなみにハバロフスはというと、あの夜蛇に襲われたことで精神崩壊し言葉を発することができなくなってしまったそう。
その後は実家で親に介護をしてもらっていたそうなのだが。
ある時親がいないタイミングで取り乱し、窓から飛び降りて負傷。その時は落命しなかったものの、結局その際に負った傷が原因となって半年ほどして亡くなってしまったそうだ。
歳を重ねるまえに亡くなったしまったというのは残念なことではあるが……彼に関しては可哀想とは思わない。
◆終わり◆
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