異世界恋愛作品集 ～どんなことがあろうとも、心折れず、ただ前へと進みます～

ちょこっとひとやすみ？ 詩のコーナー

『きっとあれは夢だったのね』

きっとあれは夢だったのね
そう思えば救われるでしょう
愛しい人
貴方と生きた時間は
すべて
すべてが
幻で夢でしかなかったのだと
そう考えられたなら
きっと
きっとね
婚約破棄されて
悪口まで言われたこと
負った傷の存在さえも忘れてしまえるはず
だって
だってよ
夢と現実は別物なのだから
見ていた貴方も
愛した貴方も
すべてが偽りのもの
偽者で
幻なら
そうよもう何も悲しくはない
夢の果てに
ただ何もなかっただけのことだもの

きっとあれは夢だったのね
そう思えば救われるでしょう
あの頃私は
幸せな夢をみていたの
その中で息をして
その中で愛を知り
そうやって
ただ歩んできただけ
そうやって
ただ歩んでいただけ
簡単なこと
すべて
すべては
幻想の中の出来事だったのだと
そう思ってしまえばいい
ならばもう
何もかも怖くはないわ
傷ついたことさえも
ただの夢として心の奥底に消えてゆく
そうよ
そうなの
ただどこまでも沈んでゆく

きっとあれは夢だったのね

ただそう思っていたい
そうすれば苦しみは消えるから

きっとあれは夢だったのね



『辛いの　今はただ』

辛いの
今はただ
悲しくて
涙がとまらないの

あなたを愛していたのに
あなたは愛さなかった
わたしはただあなたの隣にいたかっただけ
それなのに
そのただ一つの願いすら叶わないなんて
なんて悲しいことでしょう
なんて虚しいことでしょう

あなたと共にあれないのなら
生きている意味なんてないわと
他人から見れば
ただの愚かな女かもしれないけれど
本当にそう思ってしまうほどに
今はただ苦しいの
今はただ悲しいの

もう心が壊れてしまいそう

辛いの
今はただ
悲しくて
涙がとまらないの

もしいつか春が来ても
この苦しみはきっと消えないから

泣いて泣いて泣いても

また明日
涙流すだけね

辛いの
今はただ
悲しくて
涙がとまらないの



『愛してるっていう言葉は』

愛してるっていう言葉は
誰かを幸せにするもの
けれども時には人を傷つけるものでもあって
使い方次第
刃物と同じね

愛してるっていう言葉は
誰かを笑顔にするもの
けれども時には人を泣かせるものでもあって
使い方次第
力と同じね

その言葉を
その想いを
誰かのために使えるなら
誰かの希望のために使えるなら
きっとそれは
偉大なことでしょう

世界のため
人々のため
生きられるなら
誰かの光になれるなら
きっとそれは
称賛されることでしょう

剣を携えているなら
罪なき者にそれを向けるべきではないでしょう？
それと同じこと
言葉を使うのであれば
悪しき色を描くべきではないでしょう？

幸せのために
すべてを使うべきよ

笑顔のために
剣も
力も
そして言葉も
使うべき

そういうものでしょう？

愛してるっていう言葉は
誰かを幸せにするもの
けれども時には人を傷つけるものでもあって
使い方次第
刃物と同じね