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ちょっぴりひとやすみ? 詩のコーナー
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『欲しかったのはあなた』
欲しかったのはあなた
愛しかったのはあなた
そうよ
だってわたし
ずっと前からあなたのことが好きだった
だからね?
婚約が決まった時はとても嬉しくて
心弾んで
なんてことのない日でも
歌って踊りたいほど
幸せな気持ちに包まれていたから
毎日が薔薇色で
いつまでもあなたと共に生きていきたいと
いつまでもあなたの隣で息をしていたいと
純粋にそう思っていた
あなたが好きで
あなたが好きで
ただ愛しくて
抱き締めたい衝動に駆られるほど
深く強く愛していた
あなたを欲して
あなたを愛して
だからね?
婚約が決まった日から
すべてが終わる瞬間まで
束の間の夢をみたの
それはあなたと共に生きるという夢よ
儚いものだったけれど
それでも夢みた
それでも信じた
ただ幸せを
ただ幸福な明日を
欲しかったのはあなた
愛しかったのはあなた
そうよ
だってわたし
ずっと前からあなたのことが好きだった
一度芽生えた想いは
きっとそう易々と消え去るものではないのでしょう
欲しかったのはあなた
魂が燃え上るほどの
この強い愛は絶えることを知らない
愛しかったのはあなた
『最も簡単な方法で』
最も簡単な方法で
貴方は私を切り捨てた
婚約の破棄
貴方はあまりにも身勝手な笑顔で
別の人を
別の女を
その手に収めることを選んだのね
私はもう要らない?
もしもそう尋ねたとしたら
きっと貴方は
それが当たり前であるかのように頷くのでしょう
面白いものね
乾いた笑いしか出ない
貴方はとても心ない人だけれど
そんな貴方に惚れた私も馬鹿だった
それが答えなのでしょう?
そうよ
それがすべて
最も短絡的な思考で
貴方は私から離れてゆく
婚約の破棄
貴方は今欲しいものしか見ていない
ただ欲しいものを求め
ただ手にしたいものを引き寄せる
その腕で
そのたびに私が傷つくこと
きっと気づいてはいないのでしょう
貴方は人を傷つけて
いつも欲しいものを手に入れる
けれどもそれも永遠ではないわ
悲しみのもとに手に入れたものが
永久に宝となるはずもない
いつの日かさよならは来て
その時になって貴方は悟るでしょう
己の手にしていたものの儚さ
己が手に入れたものの脆さ
後になって気づいてももう遅い
『あの頃のあなたは もうどこにもいないのね』
好きだよって言ってくれた
あの頃のあなたは
もうどこにもいないのね
考えるだけで悲しくて
ああもう泣いてしまいそう
仕方ないことよ
心なんて変わるものなのだから
人が人である以上
心とは不確かで
それが当たり前のことだから
心変わりするのもやむを得ないことなの
分かっているつもり
けれどそれでも
笑顔でさよならは言えなくて
どう足掻いても変えられない運命と
分かっていたとしても
無意味に足掻こうとしてしまうのはどうして?
わたしが愚かだからなのか
分からないけれど
あの頃を取り戻したい
それがただ一つの願いだから
お願い
その言葉を告げさせて
お願い
もう一度やり直させて
好きだよって言ってくれた
あの頃のあなたは
もうどこにもいないのね
さよならは言いたくないけれど
さよならと言うしかないのなら
わたしは……
『つまりは』
つまりは
そういうことなのでしょう?
あなたはわたしよりあの人を選んだ
それがきっと
最もシンプルな答えなのだろうと
そんな気がして
悔しいけれど今さら何もできやしない
傷ついて
嘆き
ただひたすらに泣いた夜もあったけれど
あの日々
あの時間
そのすべてが新しいわたしを形作ってゆくなら
負った傷
痛むその傷跡も
きっと
何の意味も
持たないわけではなくて
きっと
明日のわたしを
生み出す糧となったのね
好きだったあなたとの関係が終わってしまったこと
好きだったあなたとの日々が壊れてしまったこと
今でもとても残念に思うけれど
いつまでも泣いているだけのわたしじゃない
痛みも
苦しみも
そのすべてを背負いながら
戦うように生きてゆくから
そうやって明日を切り拓いてゆく
だからいつまでも
心折れたままの弱いわたしではない
つまりは
そういうことなのでしょう?
あなたはわたしよりあの人を選んだ
でももうどうでもいいわ
だってすべてはわたしの血肉となったのだから
欲しかったのはあなた
愛しかったのはあなた
そうよ
だってわたし
ずっと前からあなたのことが好きだった
だからね?
婚約が決まった時はとても嬉しくて
心弾んで
なんてことのない日でも
歌って踊りたいほど
幸せな気持ちに包まれていたから
毎日が薔薇色で
いつまでもあなたと共に生きていきたいと
いつまでもあなたの隣で息をしていたいと
純粋にそう思っていた
あなたが好きで
あなたが好きで
ただ愛しくて
抱き締めたい衝動に駆られるほど
深く強く愛していた
あなたを欲して
あなたを愛して
だからね?
婚約が決まった日から
すべてが終わる瞬間まで
束の間の夢をみたの
それはあなたと共に生きるという夢よ
儚いものだったけれど
それでも夢みた
それでも信じた
ただ幸せを
ただ幸福な明日を
欲しかったのはあなた
愛しかったのはあなた
そうよ
だってわたし
ずっと前からあなたのことが好きだった
一度芽生えた想いは
きっとそう易々と消え去るものではないのでしょう
欲しかったのはあなた
魂が燃え上るほどの
この強い愛は絶えることを知らない
愛しかったのはあなた
『最も簡単な方法で』
最も簡単な方法で
貴方は私を切り捨てた
婚約の破棄
貴方はあまりにも身勝手な笑顔で
別の人を
別の女を
その手に収めることを選んだのね
私はもう要らない?
もしもそう尋ねたとしたら
きっと貴方は
それが当たり前であるかのように頷くのでしょう
面白いものね
乾いた笑いしか出ない
貴方はとても心ない人だけれど
そんな貴方に惚れた私も馬鹿だった
それが答えなのでしょう?
そうよ
それがすべて
最も短絡的な思考で
貴方は私から離れてゆく
婚約の破棄
貴方は今欲しいものしか見ていない
ただ欲しいものを求め
ただ手にしたいものを引き寄せる
その腕で
そのたびに私が傷つくこと
きっと気づいてはいないのでしょう
貴方は人を傷つけて
いつも欲しいものを手に入れる
けれどもそれも永遠ではないわ
悲しみのもとに手に入れたものが
永久に宝となるはずもない
いつの日かさよならは来て
その時になって貴方は悟るでしょう
己の手にしていたものの儚さ
己が手に入れたものの脆さ
後になって気づいてももう遅い
『あの頃のあなたは もうどこにもいないのね』
好きだよって言ってくれた
あの頃のあなたは
もうどこにもいないのね
考えるだけで悲しくて
ああもう泣いてしまいそう
仕方ないことよ
心なんて変わるものなのだから
人が人である以上
心とは不確かで
それが当たり前のことだから
心変わりするのもやむを得ないことなの
分かっているつもり
けれどそれでも
笑顔でさよならは言えなくて
どう足掻いても変えられない運命と
分かっていたとしても
無意味に足掻こうとしてしまうのはどうして?
わたしが愚かだからなのか
分からないけれど
あの頃を取り戻したい
それがただ一つの願いだから
お願い
その言葉を告げさせて
お願い
もう一度やり直させて
好きだよって言ってくれた
あの頃のあなたは
もうどこにもいないのね
さよならは言いたくないけれど
さよならと言うしかないのなら
わたしは……
『つまりは』
つまりは
そういうことなのでしょう?
あなたはわたしよりあの人を選んだ
それがきっと
最もシンプルな答えなのだろうと
そんな気がして
悔しいけれど今さら何もできやしない
傷ついて
嘆き
ただひたすらに泣いた夜もあったけれど
あの日々
あの時間
そのすべてが新しいわたしを形作ってゆくなら
負った傷
痛むその傷跡も
きっと
何の意味も
持たないわけではなくて
きっと
明日のわたしを
生み出す糧となったのね
好きだったあなたとの関係が終わってしまったこと
好きだったあなたとの日々が壊れてしまったこと
今でもとても残念に思うけれど
いつまでも泣いているだけのわたしじゃない
痛みも
苦しみも
そのすべてを背負いながら
戦うように生きてゆくから
そうやって明日を切り拓いてゆく
だからいつまでも
心折れたままの弱いわたしではない
つまりは
そういうことなのでしょう?
あなたはわたしよりあの人を選んだ
でももうどうでもいいわ
だってすべてはわたしの血肉となったのだから
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