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61~64 エピローグ
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61.
ロリーテオの死後、独り身になってしまった私のことを心配した親戚の女性が洋服屋を営む青年リリーガオスを紹介してくれた。
「ええと……リリジーナさんでしたっけ」
「はい」
「どうぞよろしく」
「リリーガオスさん、本日はよろしくお願いいたします」
見た感じ不快感はないリリーガオスだったが。
「それはそうですよ! なんせ、あれは二番目が正しいのですから! おや? もしかして、一番目と思ってました? はっはぁ! それはお馬鹿ですねお嬢さん! 二番目が正義、二番目こそが正しい! それは間違いないことですよ、それが分からない理解できない人がいるのだとしたらその人は蚊以下の知能ですね! はっはっははぁ!」
性格はクズだった。
なので。
「今日はありがとう。話聞いてもらえて楽しかったよ。リリジーナさん、よければまた……」
「いえ、もう二度と会いません」
「え!?」
「申し訳ありませんが、これきりです。……さようなら」
はっきりと次はないと告げた。
するとリリーガオスがごちゃごちゃと愚痴に似たような私を貶める言葉を発し始める。それはもう、とにかく酷い、心ない内容が並んでいて。どうしてそんなことを平気で言えるのだろう、とシンプルに思うくらいの言葉を、無数に並べられ吐かれてしまった。
結局リリーガオスと私は婚約しなかったのだが、彼は後に怪しい女性に引っ掛かり詐欺事件に巻き込まれてしまい痛い目に遭ったようだった。
62.
次なる婚約者ニアは暴力男だった。
彼はことあるごとに婚約した私を蹴ろうとしたり殴ろうとしたりして。
しかしある時友人がそのことを私の父親へこっそり伝えてくれて、それによって、私と彼の婚約は破棄となった。
「ごめんなぁ! リリジーナ! 酷い目に、辛い目に、遭わせてしまって……ごめんなああああ!! 父さんは辛いぃぃぃぃ!! 娘を傷つけられて、父さんは悲しいぞおおぉぉぉぉぉぉ!!」
そんなニアだが、後に違法薬物の所持と使用によって逮捕され、強制労働刑に処されたそうだ。
もちろんその刑罰は一生続く。
つまり、もう、彼に普通に暮らす権利は一切ないということなのだ。
彼は自由を失った。普通に生きることさえもう叶わない。きっとそれはとても辛く虚しいことだろう。しかしそんな状況に自身を追い込んだのもまた彼自身。だからある意味自業自得なのである。はめられたわけでもないし。
そう、彼はもう永遠に一人だ。
63.
リリジーナの次なる婚約者はマットレという青年だった。
彼は見た目の面では非常に優れている。整った目鼻立ちをしているのだ。この国においてもかなり珍しいくらい、なぜ一般人として生きているのだろうと疑問に思うくらい、彼の容姿はレベルが高い。
そして、そんなだから、女性からの人気もかなり高い。
だがそれがマットレの人間性を劣化させてしまっているという部分は大きいだろう。
彼は過剰な自信家。
そして女性なら誰もが自分に惚れて言いなりになるものだと思い込んでいる。
馬鹿みたいな話だが、彼は純粋にそう信じているのである。
そんな彼はことあるごとに「君だって俺と婚約できて嬉しいんだろ? 本当は」とか「照れてないで素直になれよ、捨てられるぞ?」とか「もっと奉仕しろよ、俺とずっと一緒にいたいのならな」とか言ってきていた。
そしてこちらがそれを否定すると癇癪を起こす。
……非常に厄介な青年だ。
幼稚なだけならまだましなのだが、可愛げもないときているから、なおさら不快だし関わっていて辛い。
そんな彼は、ある時、他の女性に手を出し子を宿らせた。
「そんな感じだから、婚約破棄するわ」
「向こうのご両親にそうするよう言われたのですね? まぁ、確かに責任というものがありますし、当たり前といえば当たり前ですが……」
子が宿ったということはこれから責任を持ってその子のために生きなくてはならないということ。
つまりこれまで通り私との関係を継続することはできないということだ。
「う、うるさい! 馬鹿にするな!」
「……馬鹿に? していませんよ、そんなの。馬鹿に、なんて」
そう言うけれど。
「いいやしてる!! 馬鹿にしてる!! この俺を! 引く手あまたな美青年であるこの俺を、マットレを、見下したような態度をとるとは何事だ! お前ぇぇぇ……酷すぎるぞ!! いい加減にしろよ!!」
マットレはもう冷静さを完全に失っていた。
「ふざけるなふざけるなふざけるな! ふざけるなよお前! 低級女のくせにこの俺を馬鹿にし見下しとは一体どういう神経をしてるんだ!? ぐりゅおおぁぁぁぉ!! 下はそっちだ! 俺は偉い、俺は上! 上なんだよおおおお!! 常に、常に、そうなんだ!! 誰も俺を見下すことなんてできないんだあああぁぁぁ!!」
数時間にわたって叫び続けたマットレは突然倒れ死亡した。
血管破裂による死だったようだ。
64.
マットレとの関係は終わり、私はまた、束の間の穏やかな時間を楽しむ。
だがそんな穏やかな時間もいつかは終わりを迎えることとなる。
また次の縁が舞い込んでくる。
それは親戚の知り合いの息子さんである男性ロッケーラとの婚約であった。
「はじめまして、リリジーナと申します」
「…………」
「ええと……ロッケーラさん、ですよね?」
「……ん」
しかしこれまたクセの強い人だった。
四十代なのに大量のぬいぐるみに埋もれるようにして常に過ごしており、表情は一切変えず、話しかけてもほとんど返事してくれない。
「私、あなたの婚約者となりました、リリジーナという者です」
「…………」
「えっと、聞こえてます?」
「…………」
……なんで無視すんねん!
「これからよろしくお願いしますね」
「……ん」
「ありがとうございます。これから少しお茶でもどうです? あなたのことも知りたいですし」
明るく振る舞うよう努力してそんな風に言ってみるも。
「要らん」
低い声でばっさり拒否されてしまった。
「えっ……」
「…………」
「そうですか、お嫌なのですね。では仕方ないですね、無理にとはいきませんし」
「…………」
会話が成り立たなくて辛い……。
そんな私と彼の関係だが、婚約後間もなくロッケーラが失踪したことで破棄となった。
いやいやいや、ほんと、何だったんだ……。
エピローグ
色々あったが、また一生を乗り越えた。
リリジーナという人生も何だかんだで楽しかった。婚約者絡み意外は、だが。楽しいこと、嬉しいこと、たくさんあった。良き親や友人に恵まれ、そこそこ充実していたと思う。
そうして天に帰った私は、神を名乗る存在と再会することとなる。
『貴女、たくさん頑張りましたね』
とても美しい女性の姿をしている。
やはりあの時の神なのだろう。
「びっくりするくらい何回も婚約破棄されました……」
『そうでしょうね』
「もう疲れましたよ、さすがに」
思わず本音をこぼしてしまったところ。
『……良いでしょう』
彼女は微笑んだ。
『では、貴女に、最高にして最大の幸福を与えましょう』
その言葉を最後に光に包まれる。
この魂はどこへゆくのだろう。
◆
「アイニーティアさん!」
「え……」
意識を取り戻した時、目の前には見覚えのある顔があった。
「ろ、ロックさん!?」
そうだ、彼は……。
私が一番愛した人。
傍にいたいと思えた人。
彼が今、目の前に……って、どうしてッ!?
「ロックさん、死んだんじゃ……」
「……復活させてもらえたのです、魔法神に」
「ええっ」
「ですからまた一緒に過ごせます。これからはもう離れないでしょう。きっと、大丈夫です」
そこまで言ってから、少し間を空け、ロックはふっと表情を柔らかくした。
「見に行きましょうよ、海」
こうしてようやく幸福と巡り会えた私は、ロックと共に末永く幸せに暮らしたのだった。
◆終わり◆
ロリーテオの死後、独り身になってしまった私のことを心配した親戚の女性が洋服屋を営む青年リリーガオスを紹介してくれた。
「ええと……リリジーナさんでしたっけ」
「はい」
「どうぞよろしく」
「リリーガオスさん、本日はよろしくお願いいたします」
見た感じ不快感はないリリーガオスだったが。
「それはそうですよ! なんせ、あれは二番目が正しいのですから! おや? もしかして、一番目と思ってました? はっはぁ! それはお馬鹿ですねお嬢さん! 二番目が正義、二番目こそが正しい! それは間違いないことですよ、それが分からない理解できない人がいるのだとしたらその人は蚊以下の知能ですね! はっはっははぁ!」
性格はクズだった。
なので。
「今日はありがとう。話聞いてもらえて楽しかったよ。リリジーナさん、よければまた……」
「いえ、もう二度と会いません」
「え!?」
「申し訳ありませんが、これきりです。……さようなら」
はっきりと次はないと告げた。
するとリリーガオスがごちゃごちゃと愚痴に似たような私を貶める言葉を発し始める。それはもう、とにかく酷い、心ない内容が並んでいて。どうしてそんなことを平気で言えるのだろう、とシンプルに思うくらいの言葉を、無数に並べられ吐かれてしまった。
結局リリーガオスと私は婚約しなかったのだが、彼は後に怪しい女性に引っ掛かり詐欺事件に巻き込まれてしまい痛い目に遭ったようだった。
62.
次なる婚約者ニアは暴力男だった。
彼はことあるごとに婚約した私を蹴ろうとしたり殴ろうとしたりして。
しかしある時友人がそのことを私の父親へこっそり伝えてくれて、それによって、私と彼の婚約は破棄となった。
「ごめんなぁ! リリジーナ! 酷い目に、辛い目に、遭わせてしまって……ごめんなああああ!! 父さんは辛いぃぃぃぃ!! 娘を傷つけられて、父さんは悲しいぞおおぉぉぉぉぉぉ!!」
そんなニアだが、後に違法薬物の所持と使用によって逮捕され、強制労働刑に処されたそうだ。
もちろんその刑罰は一生続く。
つまり、もう、彼に普通に暮らす権利は一切ないということなのだ。
彼は自由を失った。普通に生きることさえもう叶わない。きっとそれはとても辛く虚しいことだろう。しかしそんな状況に自身を追い込んだのもまた彼自身。だからある意味自業自得なのである。はめられたわけでもないし。
そう、彼はもう永遠に一人だ。
63.
リリジーナの次なる婚約者はマットレという青年だった。
彼は見た目の面では非常に優れている。整った目鼻立ちをしているのだ。この国においてもかなり珍しいくらい、なぜ一般人として生きているのだろうと疑問に思うくらい、彼の容姿はレベルが高い。
そして、そんなだから、女性からの人気もかなり高い。
だがそれがマットレの人間性を劣化させてしまっているという部分は大きいだろう。
彼は過剰な自信家。
そして女性なら誰もが自分に惚れて言いなりになるものだと思い込んでいる。
馬鹿みたいな話だが、彼は純粋にそう信じているのである。
そんな彼はことあるごとに「君だって俺と婚約できて嬉しいんだろ? 本当は」とか「照れてないで素直になれよ、捨てられるぞ?」とか「もっと奉仕しろよ、俺とずっと一緒にいたいのならな」とか言ってきていた。
そしてこちらがそれを否定すると癇癪を起こす。
……非常に厄介な青年だ。
幼稚なだけならまだましなのだが、可愛げもないときているから、なおさら不快だし関わっていて辛い。
そんな彼は、ある時、他の女性に手を出し子を宿らせた。
「そんな感じだから、婚約破棄するわ」
「向こうのご両親にそうするよう言われたのですね? まぁ、確かに責任というものがありますし、当たり前といえば当たり前ですが……」
子が宿ったということはこれから責任を持ってその子のために生きなくてはならないということ。
つまりこれまで通り私との関係を継続することはできないということだ。
「う、うるさい! 馬鹿にするな!」
「……馬鹿に? していませんよ、そんなの。馬鹿に、なんて」
そう言うけれど。
「いいやしてる!! 馬鹿にしてる!! この俺を! 引く手あまたな美青年であるこの俺を、マットレを、見下したような態度をとるとは何事だ! お前ぇぇぇ……酷すぎるぞ!! いい加減にしろよ!!」
マットレはもう冷静さを完全に失っていた。
「ふざけるなふざけるなふざけるな! ふざけるなよお前! 低級女のくせにこの俺を馬鹿にし見下しとは一体どういう神経をしてるんだ!? ぐりゅおおぁぁぁぉ!! 下はそっちだ! 俺は偉い、俺は上! 上なんだよおおおお!! 常に、常に、そうなんだ!! 誰も俺を見下すことなんてできないんだあああぁぁぁ!!」
数時間にわたって叫び続けたマットレは突然倒れ死亡した。
血管破裂による死だったようだ。
64.
マットレとの関係は終わり、私はまた、束の間の穏やかな時間を楽しむ。
だがそんな穏やかな時間もいつかは終わりを迎えることとなる。
また次の縁が舞い込んでくる。
それは親戚の知り合いの息子さんである男性ロッケーラとの婚約であった。
「はじめまして、リリジーナと申します」
「…………」
「ええと……ロッケーラさん、ですよね?」
「……ん」
しかしこれまたクセの強い人だった。
四十代なのに大量のぬいぐるみに埋もれるようにして常に過ごしており、表情は一切変えず、話しかけてもほとんど返事してくれない。
「私、あなたの婚約者となりました、リリジーナという者です」
「…………」
「えっと、聞こえてます?」
「…………」
……なんで無視すんねん!
「これからよろしくお願いしますね」
「……ん」
「ありがとうございます。これから少しお茶でもどうです? あなたのことも知りたいですし」
明るく振る舞うよう努力してそんな風に言ってみるも。
「要らん」
低い声でばっさり拒否されてしまった。
「えっ……」
「…………」
「そうですか、お嫌なのですね。では仕方ないですね、無理にとはいきませんし」
「…………」
会話が成り立たなくて辛い……。
そんな私と彼の関係だが、婚約後間もなくロッケーラが失踪したことで破棄となった。
いやいやいや、ほんと、何だったんだ……。
エピローグ
色々あったが、また一生を乗り越えた。
リリジーナという人生も何だかんだで楽しかった。婚約者絡み意外は、だが。楽しいこと、嬉しいこと、たくさんあった。良き親や友人に恵まれ、そこそこ充実していたと思う。
そうして天に帰った私は、神を名乗る存在と再会することとなる。
『貴女、たくさん頑張りましたね』
とても美しい女性の姿をしている。
やはりあの時の神なのだろう。
「びっくりするくらい何回も婚約破棄されました……」
『そうでしょうね』
「もう疲れましたよ、さすがに」
思わず本音をこぼしてしまったところ。
『……良いでしょう』
彼女は微笑んだ。
『では、貴女に、最高にして最大の幸福を与えましょう』
その言葉を最後に光に包まれる。
この魂はどこへゆくのだろう。
◆
「アイニーティアさん!」
「え……」
意識を取り戻した時、目の前には見覚えのある顔があった。
「ろ、ロックさん!?」
そうだ、彼は……。
私が一番愛した人。
傍にいたいと思えた人。
彼が今、目の前に……って、どうしてッ!?
「ロックさん、死んだんじゃ……」
「……復活させてもらえたのです、魔法神に」
「ええっ」
「ですからまた一緒に過ごせます。これからはもう離れないでしょう。きっと、大丈夫です」
そこまで言ってから、少し間を空け、ロックはふっと表情を柔らかくした。
「見に行きましょうよ、海」
こうしてようやく幸福と巡り会えた私は、ロックと共に末永く幸せに暮らしたのだった。
◆終わり◆
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