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残念ですが……ここでお別れみたいですね。それではさようなら。

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「君との婚約は破棄とすることに決めた」

 ある日のこと、婚約者バルフェは真剣な面持ちで私にそう告げた。

「……本気?」
「あぁ」
「そうね……その目を見れば分かる。貴方が本気だってこと」
「婚約破棄は絶対だ」
「分かっているわよ。これで別れね」
「あぁ」

 こうして私たちの婚約は破棄された。

 残念なことではあるが仕方ない。
 それが運命だったのだろう。


 ◆


 バルフェとの婚約破棄から数年、私は今この国を動かす一員となっている。

 この国の王に気に入られ、要職につくこととなったのである。

 勉強しなくてはならないことはたくさんあったからこれまで大変だったけれど、それでも努力して、自分で言うのはなんだが私は着実に成長していると感じる。

 ちなみにバルフェはというと、事業で失敗し借金地獄の中で生きているらしい。


◆終わり◆
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