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前編
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「悪いが、やはり、君のような女とは一緒にいられない。婚約は破棄とさせてもらう」
婚約者で人間の王子ベリーズは、ある日突然、私に対してそう告げた。
「待ってください。そんなこと、いきなり言われましても……」
「君が何を言おうがもはや僕の心は変わらない」
「いえ、それ以前のお話です。婚約破棄になれば、二つの族の友好関係が壊れてしまいます」
私は魔族の王女。
彼は人間の王子。
元より険悪であった二つの種族が友好関係を築くため、私たちは夫婦となることとなっていたのだ。
この話が消えてしまったら。
それも人間側が一方的に消してしまったら。
二つの種族の関係性はきっと破壊されてしまうだろう。
婚約者で人間の王子ベリーズは、ある日突然、私に対してそう告げた。
「待ってください。そんなこと、いきなり言われましても……」
「君が何を言おうがもはや僕の心は変わらない」
「いえ、それ以前のお話です。婚約破棄になれば、二つの族の友好関係が壊れてしまいます」
私は魔族の王女。
彼は人間の王子。
元より険悪であった二つの種族が友好関係を築くため、私たちは夫婦となることとなっていたのだ。
この話が消えてしまったら。
それも人間側が一方的に消してしまったら。
二つの種族の関係性はきっと破壊されてしまうだろう。
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