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2話「酷いことばかり」

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 それからもボーノーンは酷いことばかり言いました。

「お前が俺の周りから何て呼ばれてるか知ってっか? ハズレアマだよ! おかげで俺はずっと笑いもん、迷惑被ってんだよ! それもずーっと! マジいい加減にしてくれよ!」

 私のせいではないはずです。
 決めたのはお互いの親なのですから。

 けれども今のボーノーンには私のせいと思えているようです。

「さっさと消えてくれよ! 俺の名誉のためにも! 早く、一刻も早く、俺の前から消え去ってくれよ! ハズレのおもりなんぞ、完璧有能な俺にはできねーんだよ!」

 この日の彼はいつになく口が悪く酷い人でした。

 私の気持ちなんて一切考えない。
 これにはさすがに、人としてどうなの、と思ってしまいました。

 ただ、彼が婚約破棄を望んでいるなら、ある意味好都合です。

「では私は去りますね。さようなら」

 こうして私たちの関係は終わりました。
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