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3話

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 ◆


 あれから数年が経った。
 時の流れとは早いものだ。

 私は今もエーベルリッツに愛されている。

 また、子にも恵まれ、家族も増えた。

 王子の妻として生きること、それは、ある種の大変さもある。周囲から求められるものも多いから。一般家庭の嫁になるのとは話が違う、そう思い知ることもあった。

 けれども、夫はいつも積極的に動き、時に護り時に支えてくれる。
 だからこそ私は今日も生きている。
 力添えがあったからこそ、どんなことも乗り越えて、ここまで歩いてくることができたのだ。

 辛い時にこそ力を合わせて、そうやって生きることの大切さを夫が教えてくれた。

 ……と、あれこれ言ったが。

 基本的には心地よく過ごせている。
 虐めなんかも特にはないし。

 忙しくても充実した楽しい日々だ。

 だから大丈夫、これからもきっとここで生きてゆける。

 ちなみにルートラーはというと、あの後別の女性と婚約したそうだが婚約期間中に酒場で知り合った他の女性と親しくなり深い仲になってしまってそれが婚約者にばれてしまったそうで、激怒した婚約者の父親にボコボコにされてしまったそうだ。
 で、それによって彼は、再起不能なほどに身も心も壊れてしまったそう。
 自力では何もできない身体になってしまい、また、精神も破壊されて普通の会話さえもまともにはできない状態に陥ってしまったらしい。

 ルートラーはいろんな意味で終わった。

 彼にはもう明るい未来はない。


◆終わり◆
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