唇に紅

四季

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唇に紅

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唇に紅を引き
艶やかに囁くは
愛ではなく
憎しみ
愛のような憎しみ

唇に紅を引き
艶やかに歌うのは
夢ではなく
虚しさ
夢のような虚しさ

花壇に咲く紅の華
あの世へと誘う者

気づけばすべて冷えきって
枯れ果ててしまっていた

悲しみは奥にしまい
苦しさは呑み込む
憎しみと虚しさを紅に混ぜ
唇を染め上げる

愛を囁く
その唇には憎しみを

夢を歌う
その唇には虚しさを

並べ 交え そして

ただの表裏でしかないことに
いつの日か気づく
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