十八歳の春、魔法大学校へ入学するその日――婚約者から婚約の破棄を宣言されました。~彼は堕ち、私は頂点へ~

四季

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3話

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 ◆


 あれから数ヶ月。
 今日でもう前期が終わる。

「リリアちゃん、聞いた?」

 授業前、席についてぼんやりしていると、今ではすっかり親友となっているフィレニレアが駆けてきた。

 何やら言いたいことを持っている様子だ。

「なに?」
「フォトナイって人の話!」
「知らないわ」
「リリアちゃんとの婚約を勝手に破棄したやつなんでしょ?」
「そうそう」
「退学したんだって!」

 その言葉に、思わず大きな声が出てしまう。

「ええっ」

 らしくない大きめな声だった。

 周囲の生徒に見られてしまって一瞬恥ずかしかった……でもまぁ仕方ないな。

「なんかさ、馴染めなかったらしいよ。それでもう途中から来てなかったみたい。それで、今日、退学届け出したみたいね~」

 フィレニレアは私の隣の席に腰を下ろす。

 いつだってそう。
 私たちは隣に座って授業を受けている。

「そうだったの……」

 しかし驚いた。
 あんなに張りきっていたフォトナイが一年ももたず退学するなんて。

 エリート道とか何とか言っていたのは何だったのだろう……。

「フォトナイって人、魔法実技苦手だった?」
「ええそうよ」
「そっかぁ、じゃあ、ほんとの話みたいね。なんか、実技で大失敗して笑われたとかで、それから段々来なくなったんだって」
「プライドが高いから……」
「そうなんだ?」
「ええ、彼はね」
「そっかぁ……じゃ、恥かいたらもう顔晒せないねぇ」
「そうそう、そんな感じ」
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