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3話
しおりを挟むその後青年が旧王族の家の子息であることが判明。
彼は私を気に入ってくれたようだった。
でも一度はお断りした、メルシニアに酷い虐めを受けそうで怖かったから。
しかしそれで諦めては貰えず。
それからもアプローチを受け続けることとなる。
ちなみにメルシニアは、一応、そこそこ良い家の男性と婚約を見据えて付き合い始めたようだった。
それぞれ相手は見つけられた。
でもメルシニアは納得していなかったと思う。
ぱっとしない姉により良い人を捕まえられた、なんていったら、彼女のプライドはぐちゃぐちゃだろう。
だからか、あの日以降メルシニアは一切口をきいてくれなくなった。
家でも私を無視するようになった。
その後私は思いきって彼と婚約することを決めた。せっかくの機会を捨てたくはない、そう思ったからだ。たとえメルシニアに嫌われたとしても、それでももういい――そう考えて。私は、メルシニアと上手くやっていくことは諦め、旧王族の青年フィグセと結ばれることを選択した。
一方メルシニアもあの時の人と婚約したようだった。
だが、その後、メルシニアはちょくちょくフィグセに絡むようになった。
……もっとも、拒否されていたけれど。
メルシニアはまだフィグセを自分のものにすることを諦めてはいないようだった。
だが、その行動が原因となり、婚約者に婚約の破棄を告げられてしまったようだ。
せっかくの縁を失ってしまったメルシニア。
それからもしばらくフィグセに接近していたけれどある時ついにきつく拒否され。
それからは近寄らないようになった。
しかしその後のメルシニアの人生は山あり谷ありならぬ谷あり崖ありというようなものだったようだ。
特に、正当な理由で婚約破棄された経験があるということが、彼女を愛されない女にさせていったようである。
で、メルシニアは徐々に壊れ、最終的には奇声を発しながら自ら死を選んだようだ。
……もっとも、その様子を生で見たわけではないけれど。
そして私はフィグセと結婚し幸せになれた。
彼と出会えて良かった、あの時覚悟して一歩踏み出して良かった、と思った。
◆終わり◆
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