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前編

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 その日は突然やって来た。

「君と生涯を共にするのは無理そうだ。ということで、婚約は破棄させてもらう」

 婚約者である彼フォーリズンはそんなことを言ってきた。

 すぐには理解できず。
 一瞬きょとんとしてしまったけれど。

 でも私はべつにそれでも良かった。

「そうですか……分かりました。では私はこれで失礼します」

 彼がそれを望むなら、私はそれを受け入れよう。

 私は私で生きていこう。
 自分なりの幸せを見つけていこうと思う。
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