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2話

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「酷いわ……」
「はぁ? 酷い? あたしが酷いってそう言いたいんですの? でもそれは間違いですわ。むしろ、ガボレッス様に選ばれてもなおこうして話してあげているのですから、感謝してほしいくらいですわよ」

 こうして私は城から追放された。

 これは実家へ帰るしかない、そう思った。
 けれど、実家へ帰ったところで温かな居場所があるわけでもない。

 これからどうしよう……。
 どこへ行けば良いのだろう……。

 そんな風に悩んで道を歩いていたら――急に謎の獣人集団に取り囲まれて。

「動くな!」
「抵抗するな!」

 いきなりそんなことを言われて困惑。

「え……、あ、え……?」

 おろおろしているうちに、獣人集団に拘束されてしまった。

「な、何なのですか!?」
「これからお前を主のもとへ連れてゆく」

 餌にでもされるのか!? ――そんな風に怯えていたのだけれど。

「や、やめてください! 殺さないで! 私、私、悪いことなんてしていませんっ」
「そうではない」
「え」

 どうやらそうではないようで。

「主はお前を求めている、よって主のもとへお前を連れてゆくのだ」

 私を傷つけることが目的ではないようだった――だから私は抵抗することはやめた。

 どうせ行くあてなんてない。
 ならば流れに乗っておくのもまた一つだろう。

 ――そんな風に思ったから。
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