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婚約破棄? 構いませんよ、ご自由に。

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「君のような家事もろくにできない女、俺には必要ない! よって、婚約は破棄とする!」

 婚約者ヴェルーガはそう言って私を切り落とした。
 反論する隙なんて与えてくれなかった。

 後に人から聞いた噂によれば、ヴェルーガの母親が私の悪口を彼に吹き込んでいたらしい。最低限の家事すらできない最低女、と。

 それなら急にあんなことを言われるのも不自然ではない。

 その後私は親の知り合いの紹介で領地持ちの家の息子と顔見知りになり、やがてその人と結婚した。

 ちなみに、ヴェルーガはというと、あの後結婚はできなかったらしい。

 というのも、親しい異性や婚約者ができるたびに、母親が変なことや悪口を吹き込み妨害するそうなのだ。その内容をいつも信じ込んでしまうヴェルーガは、許せるような女性に出会えず、毎回上手くいかないのだとか。どんな相手でも、毎回、私との時のようになってしまうらしい。


◆終わり◆
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