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後編

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 ◆


 追放から数年、私は今、魔族が暮らす国で『国護りの聖女』とあがめられている。

 数年前のあの時、城から追放されどこへ行くこともできず困っていた私に声をかけてくれたのは、魔族の国の王だった。

 彼は人間である私にも心ない言葉はかけなかったし、酷いことを言った魔族の者には注意をしたり罰を与えたりと対処してくれて。
 だから私は彼のために――そして、彼らのため、魔族の国のため、生きることを決意した。

 ちなみにフルベッチらの国がどうなったかというと。

 私がいなくなってから次々災害が起こるようになり、多くの国民が不幸にも亡くなってしまったそうだ。しかし、そんな時でも王族や上流階級の者たちは税を搾り取り贅沢をしていて、それによって、国民の怒りは徐々に彼らへ向くこととなる。

 そしてやがて――王族は国民の手によって倒され、彼らが支配していた国は終わったらしい。

 フルベッチの亡骸はみっともない落書きをされた状態で三日三晩首都に晒されていたそうだ。


◆終わり◆
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