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後編

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 でもそれはそれで良かったのかもしれない。
 実は少し別れたかったから。
 こちらから言い出しづらいので、そういう意味では、向こうから終わりを告げてくれて良かった。

 さて、新しい道へ進もう。

 ――と思っていたのだが。

 婚約破棄された次の日の朝、私は、空を飛ぶ能力を手に入れた。
 まさかのことだった。
 でも気づけば自然と空を飛べるようになっていた、それも生身で。

 皆には驚かれた。
 でもまぁそうなるのも無理はないだろう。

 飛べる人間なんて、どこからどう見ても不自然な生き物でしかないから。

 その後私は手に入れた能力を使って国防部隊に加入、そこで活躍し、莫大な富を築くことに成功した。

 国防部隊はとにかく給料が良いのだ。

 ちなみにレトヴィックはというと、あの後色々きつく言ってくる女性に捕まってしまったそうで、無理矢理結婚させられたうえ奴隷のように扱われてしまったそうだ。

 で、心を病みつつあるらしい。

 でももはや逃れられない状態で。
 だから苦しみから脱出はできない状況だそうだ。


◆終わり◆
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