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後編

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 なぜ?
 ただ魔法少女として戦っているだけで切り捨てられなくてはならないの?

 疑問符で満たされる脳内。

 でも言い返すことなどできなくて。

 結局私は何もできなかった。

 あのまま終わってしまったことは悔しい。
 けれども過ぎたこと。
 今さら何を言っても無駄だ。

「……頑張ろう」

 私は戦いに生きる決意を固めた。

 それからは毎日のように敵と戦った。

 私が魔法少女であることを知っている魔法少女仲間は「大丈夫? 無理してない?」と心配してくれたけれど、何もやけくそになっていたわけではない。

 ただ、この時は動いていたかったのだ。


 ◆


 戦いに没頭するようになって数ヵ月が経ったある日、私は、敵に襲われていた一人の青年を救った。

「この前はありがとうございました」
「いえ……あれは魔法少女の仕事ですので」
「感銘を受けました」
「私はべつに……そう言っていただくような人間ではありません」
「そんなこと言わないでください!」

 その青年は、この国の有力者の息子だった。

「あ、そうだ、この後お茶でもしませんか?」


 ◆


 結果から言うと、私はあの青年と結ばれた。

 出会いから一年くらいが経った頃、彼からプロポーズされた。
 私はそれを受け入れた。

 頷いた時、彼はとても喜んでくれた。

 それがとても嬉しかった。

 私はもう魔法少女は辞めたけれど、今は彼と幸せに暮らしている。

 ちなみにオーボーンはというと、魔法少女が倒していた黒い敵に襲われ身体を乗っ取られて暴れていたところを私ではない魔法少女に退治されたそうだ。

 本来中身だけを倒すのが通例なのだが、その魔法少女は豪快な人だったようで、身体ごと消し飛ばしてしまったようだ。


◆終わり◆
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