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2話
しおりを挟む「さようなら、メイアさん」
「どうかお元気で! ルリファ様!」
その後私は実家へ戻った。
親は一応受け入れてはくれたけれど、私への対応は冷たいもので。
「ルリファったら、ドジやらかしたのね。あーあ、あんたみたいな娘でがっかりだわ」
「やはり馬鹿娘は無能だな、ははは」
母も、父も、そんな態度だった。
それから少しして、国民向けにビスコス王子とベティの婚約が発表されることとなる。
「ベティがいて本当に良かったわ。彼女はいてくれなかったら今頃……間違いなく恥をかいていたもの」
「そうだな、はは」
「馬鹿姉の埋め合わせをさせられるなんてベティも可哀想だけれどね」
「それはそうだな、また今度良い物を買ってやろう。色々な。ベティのためにたくさん金を使おう」
「そうだわ。彼女は可愛いもの、姉と大違い」
ベティは私の座を奪うためにあんなことをしたのだろう。
今どんな気持ち?
嬉しい?
純粋に喜べている?
聞いてやりたい気もするが、そんな機会ももはやない。
「姉はさっさとどこかへ出ていってほしいわね」
「ああそうだな、ははは」
両親まで心ないことを言って……。
もやもやする毎日だった。
◆
しかしその後、ベティに関する黒い噂が流れ始めた。
新聞にネタが載ったのが始まりで、話はみるみるうちに拡散していって――気づけばその黒い話を民の多くが知るところとなっていった。
そして徐々に結婚反対活動が起こり始める。
「第一王子の妻にあんな黒いやつを据えるなんておかしいだろ! 変えろ! ゆくゆくベティさんが王妃になるなんて嫌だ! 絶対に反対だ!」
「ベティ下ろせ!」
「嘘つきなのは妹なんだろ!? 違うなら違うと言えよ!! それをはっきり言えないってことは記事の話は本当なんだろ!?」
ルリファが妹を虐めていたという話は、その座を奪いたい妹ベティの作り話だった。
そういう情報が流れたのだ。
そのことが国民たちを怒らせる。
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