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前編
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私は生まれながらに不思議な力を持っていた。
魔法?
能力?
定かでないが、そういうものがあることは事実である。
私は――他者の衣服を剥すことができる。
小さい頃はその力をうっかり使ってしまうことも多くて揉めることも少なくはなかった。虐めてきた近所の子を全裸にしてしまい号泣させてしまったこともあるくらいである。
ただ、ある程度の年になるとその力の操作にも慣れ、うっかりでやらかしてしまうことはなくなった。
もう十年以上その力を他人には使っていない。
自分に使ったことはあるけれど、それは、暮らしを便利にするための使用であって、迷惑をかけるような使用ではない。
そんな私も年頃になると婚約者ができたのだけれど。
「貴様には怪しい能力があるそうだな。知らなかった。よって、婚約は破棄とする」
ある日のこと、婚約者からそう言われてしまった。
「どんな力かなど知りたくもないが……魔の力を持っていることを隠していたなど万死に値する。死でない形で許してもらえただけましだと思え」
こうして私と彼の婚約は消えてしまうこととなる。
怪しい能力、か。
確かにそう見えるのかもしれない。
魔法?
能力?
定かでないが、そういうものがあることは事実である。
私は――他者の衣服を剥すことができる。
小さい頃はその力をうっかり使ってしまうことも多くて揉めることも少なくはなかった。虐めてきた近所の子を全裸にしてしまい号泣させてしまったこともあるくらいである。
ただ、ある程度の年になるとその力の操作にも慣れ、うっかりでやらかしてしまうことはなくなった。
もう十年以上その力を他人には使っていない。
自分に使ったことはあるけれど、それは、暮らしを便利にするための使用であって、迷惑をかけるような使用ではない。
そんな私も年頃になると婚約者ができたのだけれど。
「貴様には怪しい能力があるそうだな。知らなかった。よって、婚約は破棄とする」
ある日のこと、婚約者からそう言われてしまった。
「どんな力かなど知りたくもないが……魔の力を持っていることを隠していたなど万死に値する。死でない形で許してもらえただけましだと思え」
こうして私と彼の婚約は消えてしまうこととなる。
怪しい能力、か。
確かにそう見えるのかもしれない。
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