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前編
しおりを挟む二つ年下の妹マリーナはサディスティックなところを持った娘だった。
それゆえ他人を痛めつけることが大好きで。
しかも実際にやりたい派。
ただの好みや趣味であればまだ良かったのだが、親の目につかないところで姉である私にそういうことをしてくるので非常に迷惑であった。
それでいて、親や周囲の大人の前では善良な娘を演じている。
そのため私が「虐待されている」と訴えても誰も信じてはくれなかった。
大人たちから返ってくるのは「またまた~、じゃれてるだけでしょ?」とか「マリーナちゃんがそんなことするわけないわよ、遊んでほしいって暗に言ってるだけじゃないの?」とかそういった彼女を擁護するような言葉ばかりであった。
そんな嘘、つくわけがないではないか!
しかし私の言葉を真実であると理解してくれる者は皆無。
――そんなまま迎えたある冬の日、当時私にはナンドリアという婚約者がいたのだがその彼をマリーナに奪われてしまった。
「ナンドリアさん……」
「俺はマリーナを選ぶ」
「そうですか……」
「なので、君との婚約は破棄する」
ナンドリアは決別を宣言。
私たち二人の関係は意外な形で終焉の時を迎えてしまった。
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