2 / 2
後編
しおりを挟む◆
あれから二年が経った。
あれは確か一年ほど前。
私は親の知り合いである男性と会ってみることになった。
で、その彼と意外と気が合って。
それで彼と結婚する方向で話が進み――先日ついに手続きをして結婚式も挙げて、正式に夫婦となった。
たぬき似の彼は今まで複数の女性から「顔が嫌」「かっこよくないから無理」などと言われ傷ついてきていたようだ。しかし、傷ついた経験がある人だからこそ他者に優しくできるというもので。彼は私に対して傷つけるようなことは一切言わない。
そうそう、そういえば、アドマリンはあの後すぐに別の女性と結婚したそうだが――慎ましく優秀だった相手女性は結婚を機に豹変し、今ではアドマリンもその母親も嫁であるその女性に尻に敷かれているというような状態だそうだ。
あの母親をもってしても押さえ込めない女性とは一体どれほど強い人なのだろう……。
でも、正直、ざまぁみろと思う部分もある。
大人しくしていただけの私にあそこまであれこれ言ってくるような人だ、一度痛い目に遭わなければ改心しないだろう。
ま、今後は誰かの言いなりになって生きてゆけばいい。
アドマリンは少し気の毒ではあるが、アドマリンの母親に関しては完全に自業自得である。
◆終わり◆
0
お気に入りに追加
11
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
妹ネルが婚約者を押し付けてきました。~地味な私ですが、彼と一緒になって幸せを掴むことにします~
四季
恋愛
妹ネルが婚約者を押し付けてきました。
地味な私ですが、彼と一緒になって幸せを掴むことにします。
婚約者の態度が悪いので婚約破棄を申し出たら、えらいことになりました
神村 月子
恋愛
貴族令嬢アリスの婚約者は、毒舌家のラウル。
彼と会うたびに、冷たい言葉を投げつけられるし、自分よりも妹のソフィといるほうが楽しそうな様子を見て、アリスはとうとう心が折れてしまう。
「それならば、自分と妹が婚約者を変わればいいのよ」と思い付いたところから、えらいことになってしまうお話です。
登場人物たちの不可解な言動の裏に何があるのか、謎解き感覚でお付き合いください。
※当作品は、「小説家になろう」、「カクヨム」にも掲載しています
晩餐会の会場に、ぱぁん、と乾いた音が響きました。どうやら友人でもある女性が婚約破棄されてしまったようです。
四季
恋愛
晩餐会の会場に、ぱぁん、と乾いた音が響きました。
どうやら友人でもある女性が婚約破棄されてしまったようです。
奪い取るより奪った後のほうが大変だけど、大丈夫なのかしら
キョウキョウ
恋愛
公爵子息のアルフレッドは、侯爵令嬢である私(エヴリーヌ)を呼び出して婚約破棄を言い渡した。
しかも、すぐに私の妹であるドゥニーズを新たな婚約者として迎え入れる。
妹は、私から婚約相手を奪い取った。
いつものように、妹のドゥニーズは姉である私の持っているものを欲しがってのことだろう。
流石に、婚約者まで奪い取ってくるとは予想外たったけれど。
そういう事情があることを、アルフレッドにちゃんと説明したい。
それなのに私の忠告を疑って、聞き流した。
彼は、後悔することになるだろう。
そして妹も、私から婚約者を奪い取った後始末に追われることになる。
2人は、大丈夫なのかしら。
婚約破棄が国を亡ぼす~愚かな王太子たちはそれに気づかなかったようで~
みやび
恋愛
冤罪で婚約破棄などする国の先などたかが知れている。
全くの無実で婚約を破棄された公爵令嬢。
それをあざ笑う人々。
そんな国が亡びるまでほとんど時間は要らなかった。
君より妹さんのほうが美しい、なんて言われたうえ、急に婚約破棄されました。~そのことを知った父は妹に対して激怒して……?~
四季
恋愛
君より妹さんのほうが美しい、なんて言われたうえ、急に婚約破棄されました。
そのことを知った父は妹に対して激怒して……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる