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後編

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 その後ガイアとミレアは大急ぎで結婚した。

 しかし二人は幸せにはなれなかった――というのも、妹が姉の婚約者を奪ったと聞いてオレーイン族の族長が激怒したのだ。

「その男とミレアをここへ連れてこい!」

 ちなみに族長というのはリアやミレアの父親に当たる。

 ――それから少しして、二人がオレーイン族の国へ連れられてきて。

「ミレア、お主、姉の婚約者を奪ったそうだな?」
「お父様ったら言い過ぎぃ、奪ったとかひどぉい。そんなわけないじゃないですのぉ」
「だが事実そうなったのだろう」
「惚れられた、だ・け!」
「しかし関わりを持とうとしたのはお主ではないか」
「ま! お父様ったら、どうして? ミレアには殿方に挨拶する権利すらないって言うんですの?」

 ミレアはとぼけていたけれど彼女は許されることはなかった。

 ――そして。

 ミレアは勘当を言いわたされた。
 そしてオレーイン族の国から追い出された。

「お願い! 帰らせて! 帰らせてぇ!」

 彼女は泣いていたけれど、国内へ戻ることは許されなかった。

 一方ガイアはというと――

「今からお主を打ち上げる」
「はぁ!? ふざけるな! そんなことしてただで済むと思うなよ!? 王子だぞ!? 俺は王子、そんなことをしたら滅ぼされるぞ!?」
「案ずるな、お主の記憶はこの世のすべての者から消える」
「なっ……!?」
「そういう術があるのだ、我らには」

 ――花火と共に打ち上げられて死亡した。

 その後一人の姫となったリアは、生まれ育った地で穏やかに生き、やがて族長の座を継承した。

 リアが治める国はいつも平和だった。

 この先も、彼女の導きのもと、オレーイン族はますます発展してゆくことだろう。


◆終わり◆
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