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後編

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 ◆


 あれから十年。

 数ヵ月前、私はこの国で初めてとなる揚げ物専門店を開いた。
 今はそれ関係の仕事で忙しい。
 現時点では問題なく営業できており利益もきちんと出ていそうだが、それを続けていくには脳がいる。

 だから私は思考することをやめない。

 今日もまた、気に入っている小さい卵の揚げ物を頬張りながら、店がより良い方向へ進んでゆく方法を考える。

 でもこの生活が苦痛かというとそんなことはなくて。
 むしろ楽しめている。
 それは、忙しさも含めての楽しさ、だ。

 前へ、前へ、少しずつでも進んでいく。

 好物である揚げ物と共に。

 ちなみにアブレはというと、あの後海外の商人と取引する仕事を始めたそうだが、海外の商人に騙されてしまったことで大損をすることとなってしまったらしく……最終的には一文無しに近い状態にまでなってしまったそうだ。

 また、ある時運悪く階段で転倒したことで腰痛持ちになってしまい、その痛みにも苦しんでいたらしい。


◆終わり◆
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