異形からの逃走

四季

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異形からの逃走

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 光線を吐き出す異形の敵に襲われていたヨイヅキを抱き、アマンダは山道を駆ける。
 その速度は人が走る速度を遥かに超えていた。

 だがそれでも異形の光線から逃れきることはできず、後方から放たれた光線が二人に迫る。

「後ろ……!」

 異形がすべてを消し飛ばすような光線を吐き出しことに気づいたヨイヅキが短く放つ。アマンダは咄嗟にその場から飛び退くが、完全には回避できず、片腕を消し飛ばされてしまった。

 幸い、異形は連続では光線を吐けない。すぐに次の一撃が向かってくるということはない。

「アマンダ、腕……」
「問題ない。すぐに回復する」

 白い煙のようなものを出しながら、アマンダの腕は元の形を取り戻す。
 完全に元通りになるまで、三十秒もかからなかった。

「行こう」

 差し出された手を、ヨイヅキは恐る恐る握った。
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