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3話

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「お願い! 出して! ここから! 蜜を持ってきてほしいの……じゃないとアタシ死んじゃう……」
「巣の場所を教えてください」
「嫌って言ってるじゃないの! こんなの虐待よ、飼うのならちゃんと世話を――」
「飼う? いいえ。違います、そうではないですよ」

 瓶の中にあるのは妖精の排泄物だけ。

「と、取り敢えず、これを掃除してちょうだい! アタシたち汚いところにいると弱ってしまうのヨ!?」
「知りません」
「酷いワ!」
「自分で掃除すればどうですか? その口で」
「口で!? い、嫌!! 嫌よそんなの!!」
「やり方を教えて差し上げましょうか?」
「何よそれ! 要らないわそんなの! 汚い、汚いじゃないの!」
「貴女から出たものですよ?」
「ううっ……」

 瓶を持ち、激しく振る。
 そうすれば中にある物が飛び散り、妖精の肌にも付着した。

「い、いや、ぁ……」

 彼女は泣いていた。

「巣の場所を言うのなら出して差し上げます」
「う、うっ……ぐす……ぐすっ……う、ううっ……」
「言いますか?」
「……ううっ、わ、分かった……言う、言うから、出して……」
「では先に言ってください」

 この時になって、彼女はようやく仲間がいるところについて教えてくれた。

 私は彼女を汚い瓶から出す。
 もちろん握ったまま。
 そしてそのまま荷物だけをまとめて巣があるという話の場所へと向かった。

「ここですね?」
「え、ええ……そこの木の幹のところヨ……」
「ではよく見ていてください」
「え……?」
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