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後編

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 だがエルベールはそんな嘘には騙されなかった。

 妻となる人に関する嘘を言い広めようとするリネアのことをエルベールは許さなかった。彼は怒っていたのだ。彼は指示を出し、リネアを牢へ送った。以降、リネアは、生涯牢の中で生きることとなったようだ。

 それと、これは私は知らなかったのだが、エルベールに嘘を吹き込もうとした当時――リネアには婚約者がいたそうなのだが、リネアが牢送りとなったことでその婚約は破棄となったらしい。

 もっとも、リネアがどうなろうと私にとってはどうでもいいことだ。

 彼女が婚約破棄されようが。
 彼女が牢に入れられようが。
 正直そこまで興味がある話ではない。

 それに可哀想ではない、余計なことをするからそういうことになるというだけのことだ。

 リネアだった、私とエルベールの関係を壊すようなことをしなければ、こんなことにはならなかった。しかし彼女はリスクを冒してでも私たちの関係を壊そうとした。だからこうなった、ただそれだけのことだ。


◆終わり◆
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