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中編

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 いつしかアインズは、フロマンジェには黙って、フレンダとよく会うようになった。

 最初は時々だったが頻度は徐々に増えて。いつの間にか週に二、三回は顔を合わせるようになった。店で食事をしたり買い物をしたりとお出掛けだけする時もあれば、それ以上に至ることもある。

 いずれにせよ、フレンダといる間だけ、アインズは満たされていた。

 ——しかし、それにも終わりが来た。

 アインズがフレンダといつも会っていることを知っていたフロマンジェの知人が、そのことを証拠と共にフロマンジェに伝えたのだ。

 アインズの行為はすぐに明らかとなった。

 領地持ちの者たちは「やはり相応しくなったのだ」と嘲笑う。これまで守ってくれていたフロマンジェもこれには「残念です」と言い、以降アインズとの面会を拒否するようになった。フロマンジェの両親は激怒していた。

 ある日、アインズはフロマンジェの両親に呼び出される。
 浮気相手も連れてこい、とのことだったので、アインズはフレンダを連れていった。

「ずっと関係を続けていたそうだな。なんということをしてくれたんだ」
「すみません……」

 フロマンジェの父親は怒っていた。なぜなら、自分は浮気のような行為をしたことがなかったから。彼は生まれて今まで妻しか愛したことがない。だからこそ、娘と婚約していながら別の異性に手を出していたアインズのことが許せなかった。

「これはさすがに見逃せん」
「は、はい……」
「君の親には後ほど話をさせてもらうが……ひとまずここで告げておく。婚約は破棄させてもらう!」

 地位が上の家の娘と婚約しておいて婚約を台無しにした、その罪は小さくはない。
 その行為は彼だけのことではない。彼の実家にも迷惑がかかることは確かだ。婚約を壊すようなことを平然と継続していたのだから、本人はもちろんだが、実家も無傷でいられるはずがない。
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