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後編
しおりを挟む「生意気なことではありません。私はただ本当のことを述べているだけ、本当に、それだけです」
「ふざけるなッ!!」
「ええー……」
「何という態度! 許せん!」
「いきなり失礼なことを言ってくる方はそれはそれでどうかしていると思いますが」
「ふざけるな!! ごらぁ!! 許さん、ごららららららぁぁぁぁぁぁ!!」
エッヘルは殴りかかろうとしてきたのだが――いとこの子が「おまわりさーん!!」と叫んだことで殴られずに済んだ。
「……もういい」
エッヘルは吐き捨てるように言う。
「じゃあな、永遠にさよなら」
こうして私はエッヘルとは終わってしまったのであった。
◆
あれから季節が一巡して。
私は良き人と出会い結ばれることができた。
もちろん結婚がゴールではないけれど、でも、ここはある意味一つのゴールとも捉えられる。
ゴールへたどり着き、そしてまた、そこから新しい物語が始まってゆくのである。
最近のマイブームはティータイムだ。
夫婦揃っていろんな種類の紅茶などを淹れて楽しむ、それが今は何よりも楽しい。
……ちなみにエッヘルはというと惚れた女性に乗せられて詐欺のような事業に手を出してしまい、その結果犯罪者として捕まってしまったそうだ。
で、今、彼は奴隷のように強制労働させられているよう。
それは罰なのだが。
噂によれば、早朝から真夜中までずっと働かされているような状態だそうだ。
ま、べつに、彼がどうなったとしても私にとってはどうでもいいことなのだけれど。
◆終わり◆
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