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48.いろんな者との交流!
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「王女! 成績はどうだった。良かったかい?」
その日の放課後、アダルベルトがわざわざフレアのところにまでやって来た。
成績について話しに来たようだった。
「まぁ普通かしら」
フレアは席に座ったまま返す。
「普通? それは一体どういうことだい」
アダルベルトはフレアのすぐ横辺りまでやって来て、机に体重をかけるようにして立つ。彼は脚が長いので、机にもたれかかっていてもすらりとしている。
「そこそこって感じよ。で、アダルベルトは?」
「……な。ぼ、僕? ……僕もそれなりかな。すべてCくらいは取れていたよ」
「そう! やったわね!」
「あぁ。ただ……やはり国語だけは厳しいね」
はぁと息を吐き出すアダルベルト。
彼が国語嫌いであることは、フレアも以前聞いたことがある。
「そう……。でも! 不合格ではなかったのでしょう?」
「あ、あぁ。何とか」
それからもフレアはしばらくアダルベルトと喋った。
急いで寮へ帰らなくてはならない理由は特にないからだ。
クラスメイトとこうして楽しく話せる時間も、もうそんなに長くはない。卒業まで、フレアと花組に残された時間は決して多くないのだ。だからフレアは、アダルベルトとも積極的に話すことを選んだ。少しでも学生時代を楽しみたい、と思っているから。
数分後、アダルベルトは自ら去っていった。
それからフレアは、ミルフィと共に、寮の部屋へと帰った。
◆
——それは、とある日の夕暮れ時。
リカルドは訓練場にて一人剣の練習を行っていた。
相手はいない。だがリカルドは迷いなく剣を振る。何もない空間に、彼は敵の姿を見ているようだった。架空を敵を作り出しての個人練習だろうか。黙々と、何かと斬り合うような動きをしていた。
そこへ、偶々アダルベルトがやって来る。
「やぁ。邪魔してしまったかな?」
アダルベルトもまた、自主的な訓練を行うべくそこへやって来たのだった。
それで偶然リカルドと出会ったのだ。
「……あぁ。アダルベルトとやらか」
リカルドは一時的に動きを止める。
そして、少し不愉快そうな顔つきで、アダルベルトをジロリと見る。
「その通りだよ!」
「で、何だ。俺に何か用か」
「剣の訓練中かい? もし良ければ、相手してもらえないだろうか」
「斬り合うってことか」
「あぁ! そういうことだよ! ……どうかね?」
リカルドは黙り込んでしばらく考える。即座には答えが出なかったようだ。その間、アダルベルトはじっと待っていた。答えが出るのを急かすことはしない。リカルドから返事が来るのを、真面目に待っている。
「……いいだろう。ひと試合やるか」
「ありがとう! 助かるよ!」
——数分後。
「や……やるね……! さすがだね……!」
しばらく斬り合いを続けたアダルベルトは、息を荒らしながらそんなことを言う。
対するリカルドは、ちっとも呼吸を乱していない。
「その程度で息が荒れるとは、運動不足か何かか?」
リカルドは何事もなかったかのような顔でいきなりそんなことを述べた。
「しっ、失礼なっ! 僕はきちんと鍛えている!」
「ならなぜにそんなハァハァなってるのだろうな」
「……そちらが強過ぎるから、だよ」
二人きりの場で手合わせしたことで、アダルベルトは、リカルドの強さをひしひしと感じた。
彼とて愚か者ではないから、リカルドが強者であることを知らなかったわけではない。ただ、リカルドの本当の実力を体感したのは、これが初めてだ。なぜなら、授業の時のリカルドは本気でなかったから。
「馬鹿か」
「何だい!? その言い方は!?」
「俺程度の人間、いくらでもいる。それで息を荒らしているようでは、話にならん」
「なっ……! ……だが、まぁ、それもそうか。もっと強くならねば」
リカルドとの模擬戦闘を終え、アダルベルトは食堂へと移動する。
食堂に到着し席を探している最中、サンドイッチを一人で食べているハインを発見する。
「やぁ! ハインくん!」
「……あぁ。うむ。アダルベルトか」
アダルベルトに声をかけられて十秒ほどが経過した頃、ハインは振り返った。
「食事中かい?」
「間食」
「な、なるほど。それで、隣に座っても構わないかね?」
アダルベルトはハインとあまり話したことがなかった。そのため、何事もなかったかのように近くの席に座ることはできない。なので、アダルベルトは、敢えて許可を取っておくことにした。だが、ハインは確認されたことに戸惑っていたようで。
「なぜ女子のような確認を?」
「おなっ……!? 僕はそんなに女性のようだったかい?」
「いや、気にするな。座るが良い」
「そ、そうかい。ありがとう。感謝するよ」
今日も食堂内は賑わっている。多くの生徒が、食事を楽しみつつ、会話も楽しんでいた。
だがハインは特に何も話さない。それはアダルベルトが隣の席に来てもちっとも変わらなかった。アダルベルトが話しかけない限り、ハインは言葉を発さない。ハインはお気に入りの水着本を見つめ続けている。
「もうすぐ卒業だが、君は卒業後はどうするんだね?」
沈黙に耐えきれなくなったアダルベルトは、自ら話しかけることを選んだ。
「実家へ戻る」
「そうか! ……では、両親の手伝いを?」
「寝る」
ハインは淡々と最低限の言葉だけを発する。そして時折サンドイッチをかじる。
「ね、寝る!? どういうことだい!?」
「良き思考のためには、睡眠が必須」
「は、はぁ……。確かにその通りだが……」
ハインの発言は普通に考えて間違っている内容ではない。ただ、常人が発する言葉とは、少し違っている。ハインという人間は、普通とは多少ずれた感覚の持ち主だ。だから、アダルベルトも、いちいち戸惑ってしまう。反応に困ったり、何と言うべきか掴めなかったり。ハインとは、スムーズな交流を行うのは難しい。
「ところで! そのサンドイッチ、美味しいかい?」
「その通り」
「そうか! 実は、僕はまだ食べてみたことがなかったのだ!」
「うむ」
その日の放課後、アダルベルトがわざわざフレアのところにまでやって来た。
成績について話しに来たようだった。
「まぁ普通かしら」
フレアは席に座ったまま返す。
「普通? それは一体どういうことだい」
アダルベルトはフレアのすぐ横辺りまでやって来て、机に体重をかけるようにして立つ。彼は脚が長いので、机にもたれかかっていてもすらりとしている。
「そこそこって感じよ。で、アダルベルトは?」
「……な。ぼ、僕? ……僕もそれなりかな。すべてCくらいは取れていたよ」
「そう! やったわね!」
「あぁ。ただ……やはり国語だけは厳しいね」
はぁと息を吐き出すアダルベルト。
彼が国語嫌いであることは、フレアも以前聞いたことがある。
「そう……。でも! 不合格ではなかったのでしょう?」
「あ、あぁ。何とか」
それからもフレアはしばらくアダルベルトと喋った。
急いで寮へ帰らなくてはならない理由は特にないからだ。
クラスメイトとこうして楽しく話せる時間も、もうそんなに長くはない。卒業まで、フレアと花組に残された時間は決して多くないのだ。だからフレアは、アダルベルトとも積極的に話すことを選んだ。少しでも学生時代を楽しみたい、と思っているから。
数分後、アダルベルトは自ら去っていった。
それからフレアは、ミルフィと共に、寮の部屋へと帰った。
◆
——それは、とある日の夕暮れ時。
リカルドは訓練場にて一人剣の練習を行っていた。
相手はいない。だがリカルドは迷いなく剣を振る。何もない空間に、彼は敵の姿を見ているようだった。架空を敵を作り出しての個人練習だろうか。黙々と、何かと斬り合うような動きをしていた。
そこへ、偶々アダルベルトがやって来る。
「やぁ。邪魔してしまったかな?」
アダルベルトもまた、自主的な訓練を行うべくそこへやって来たのだった。
それで偶然リカルドと出会ったのだ。
「……あぁ。アダルベルトとやらか」
リカルドは一時的に動きを止める。
そして、少し不愉快そうな顔つきで、アダルベルトをジロリと見る。
「その通りだよ!」
「で、何だ。俺に何か用か」
「剣の訓練中かい? もし良ければ、相手してもらえないだろうか」
「斬り合うってことか」
「あぁ! そういうことだよ! ……どうかね?」
リカルドは黙り込んでしばらく考える。即座には答えが出なかったようだ。その間、アダルベルトはじっと待っていた。答えが出るのを急かすことはしない。リカルドから返事が来るのを、真面目に待っている。
「……いいだろう。ひと試合やるか」
「ありがとう! 助かるよ!」
——数分後。
「や……やるね……! さすがだね……!」
しばらく斬り合いを続けたアダルベルトは、息を荒らしながらそんなことを言う。
対するリカルドは、ちっとも呼吸を乱していない。
「その程度で息が荒れるとは、運動不足か何かか?」
リカルドは何事もなかったかのような顔でいきなりそんなことを述べた。
「しっ、失礼なっ! 僕はきちんと鍛えている!」
「ならなぜにそんなハァハァなってるのだろうな」
「……そちらが強過ぎるから、だよ」
二人きりの場で手合わせしたことで、アダルベルトは、リカルドの強さをひしひしと感じた。
彼とて愚か者ではないから、リカルドが強者であることを知らなかったわけではない。ただ、リカルドの本当の実力を体感したのは、これが初めてだ。なぜなら、授業の時のリカルドは本気でなかったから。
「馬鹿か」
「何だい!? その言い方は!?」
「俺程度の人間、いくらでもいる。それで息を荒らしているようでは、話にならん」
「なっ……! ……だが、まぁ、それもそうか。もっと強くならねば」
リカルドとの模擬戦闘を終え、アダルベルトは食堂へと移動する。
食堂に到着し席を探している最中、サンドイッチを一人で食べているハインを発見する。
「やぁ! ハインくん!」
「……あぁ。うむ。アダルベルトか」
アダルベルトに声をかけられて十秒ほどが経過した頃、ハインは振り返った。
「食事中かい?」
「間食」
「な、なるほど。それで、隣に座っても構わないかね?」
アダルベルトはハインとあまり話したことがなかった。そのため、何事もなかったかのように近くの席に座ることはできない。なので、アダルベルトは、敢えて許可を取っておくことにした。だが、ハインは確認されたことに戸惑っていたようで。
「なぜ女子のような確認を?」
「おなっ……!? 僕はそんなに女性のようだったかい?」
「いや、気にするな。座るが良い」
「そ、そうかい。ありがとう。感謝するよ」
今日も食堂内は賑わっている。多くの生徒が、食事を楽しみつつ、会話も楽しんでいた。
だがハインは特に何も話さない。それはアダルベルトが隣の席に来てもちっとも変わらなかった。アダルベルトが話しかけない限り、ハインは言葉を発さない。ハインはお気に入りの水着本を見つめ続けている。
「もうすぐ卒業だが、君は卒業後はどうするんだね?」
沈黙に耐えきれなくなったアダルベルトは、自ら話しかけることを選んだ。
「実家へ戻る」
「そうか! ……では、両親の手伝いを?」
「寝る」
ハインは淡々と最低限の言葉だけを発する。そして時折サンドイッチをかじる。
「ね、寝る!? どういうことだい!?」
「良き思考のためには、睡眠が必須」
「は、はぁ……。確かにその通りだが……」
ハインの発言は普通に考えて間違っている内容ではない。ただ、常人が発する言葉とは、少し違っている。ハインという人間は、普通とは多少ずれた感覚の持ち主だ。だから、アダルベルトも、いちいち戸惑ってしまう。反応に困ったり、何と言うべきか掴めなかったり。ハインとは、スムーズな交流を行うのは難しい。
「ところで! そのサンドイッチ、美味しいかい?」
「その通り」
「そうか! 実は、僕はまだ食べてみたことがなかったのだ!」
「うむ」
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