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3話

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 ――それから数年。

 精霊遣いとしても能力を密かに高めていた私は、気づけば、他の精霊遣いとは比べ物にならないほどの能力を手にしていました。これには自分でも驚きでした。日々の積み重ね、一つ一つの訓練が、私をここまで成長させるとは――嘘みたいな話でした。でも事実だったのです。

 そうして私は国に選ばれた『最高ランク精霊遣い』となりました。

 そう決まった数日後。
 私の前に一人の男性が現れました――それは、かつて私を汚らわしいものとして切り捨てたグヴェラーでした。

「リリアナ、驚いたよ、こんなに偉くなるなるとは」
「何のご用でしょうか」
「ふん。前はああ言ったが、今ならお前と結婚してやってもいい。魔女と結婚するのは嫌だが、国が認めた最高峰の魔女であれば話は別だ。今のお前であれば、受け入れてやる」

 意味が分かりませんでした。
 私はもうそんなことを望んではいません。

 そもそも、過去に自分を汚らわしいなどと言ってきた人と結ばれたい人なんて、かなり稀というものでしょう。

「結構です」

 私は笑顔でそう返しました。

「なっ……、俺と結ばれることができるのだぞ!?」
「いえ、結構です」
「拒否するというのか!?」
「はい。結ばれたくありませんので、お帰りください」

 あんなことを言った人とやり直すなんて絶対に嫌です。

 さようなら、グヴェラー。

 その後も私は結婚しませんでした。けれども、精霊遣いとして、世のため人々のためにできることをしました。また、精霊遣いというものが悪い存在ではないのだということを広めるべく、地道な活動も重ねました。

 それは私にとって幸福でした。

 ちなみにグヴェラーはというと、あれから「最高ランク精霊遣いに上から目線で復縁を迫って拒否された情けない人」として有名になり、道を歩いているだけで周りから冷ややかに笑われてしまうようになってしまったそうです。


◆終わり◆
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