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前編
しおりを挟む婚約破棄されて泣いていたら。
「大丈夫?」
誰かからそんな風に声をかけられた。
背後から迫ってきたその人は男性で、一瞬警戒したけれど、彼は見覚えのある人だった。
「え……オルクル!?」
「ああやっぱりリーナか」
オルクルというのは、昔かなり仲良かった男子だ。
異性の幼馴染みというようなやつである。
「どうして、貴方がここに……」
脳内に湧いた疑問を口にすれば。
「昨日実家に戻ってきてさ。それで懐かしい町を歩いていたんだ」
彼はすんなり答えてくれた。
あの頃とあまり変わりのない感じで接することができている。不思議なことだけれど。でも、ずっと会っていなかったのに、あの頃と同じように向き合っていられるし言葉を交わせる。
昔親しかった人との関係って不思議だなぁ。
そう呟きたいくらいだ。
「あ、そうだったの」
「そしたら泣いてるきみを見つけてさ」
「えっ……、そっか、そういうことか。そうだったのね。それで声をかけてくれたのね?」
「うん」
「ああそうか」
こうして私たちは関係を取り戻し、やがて、純粋に結ばれた。
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